調整局面入りしたのか見極めるー2023年9月8日の日本株と今週の投資戦略

9月8日の日本株

メジャーSQだった9月8日の日本株は、寄り付き直後から大きく下落し、その後も軟調な展開となりました。日経平均株価の終値は前日比384円24銭安の32606円84銭でした。
TOPIX、マザーズ指数も下落しました。

値上がり銘柄1127に対し値下がり銘柄2854と値下がり優勢、年初来高値更新銘柄は121、年初来安値更新銘柄は21でした。

ADA指数は36.7%となり、前日の63.7%から大きく低下しました。ポジション過多のため保有株の売却を行ったほか、新規に空売りを実行しました。ここからさらに株価が調整すれば、上昇トレンド銘柄を保有し、下降トレンド銘柄を空売りするロング・ショート戦略に移行する形になります。

調整が短期間で済むのかどうか

個別銘柄をみると、25日移動平均線を上回っている銘柄がまだ全体の7割ほどを占めており、日経平均株価やTOPIXのチャートを見てもわかる通り、少し下がっただけにすぎず、調整局面に入っているのかすらもまだ分かりません。

それでも、先週に年初来高値更新銘柄が、バブルでなければ数年に1度のレベルである400を突破したあと金曜日には121まで減少しており、逆に年初来安値更新銘柄が21まで膨らんでいることから、少なくとも弱い銘柄は下落に転じていると考えることができます。

アメリカの金利上昇や、中国経済の悪化など、株価を押し下げる要因はいくつもありますし、国内景気も給与所得が増えなければ行き詰ってしまいます。
無論、「株価は株価に聞け」というのが私の信条ですし、将来を予想することはしないようにしていますが、東証プライム銘柄を中心にかなり株価は過熱していましたから、少なくとも短期的な調整局面は訪れると思います。

私自身は、調整が長期に及ぶ可能性も考え、空売りを実行しましたが、これも株価が値下がりせず反発したら速やかに損切りします。

調整が短期間で済むかどうかは、これも今の時点で予想することはできませんので、保有株が下降トレンドに転じたら売ることだけは徹底しておけば、大きな損失は回避できると思います。

逆に、株価が値下がりしても我慢して持ち続けていると、早晩悲惨な目にあう可能性が高い(すでに成長株の一部はそのような状況になっています)ので、十分注意してください。

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足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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