<ご質問>
日本で貯金、投資しても増えない。年金もあてにできない。海外投資、海外積立をするべきだ、との話、セミナーを見かけます。(実際わたしも参加しました。)
海外投資の方が利回りが良さそうな印象です。
海外投資、積立と日本での投資の比較、リスク、利回り、それぞれの長所短所などを聞きたいです。
<回答>
ご質問ありがとうございます。
海外投資については、基本的に定期的に積み立てて長期保有、というスタイルだと思います。
ポイントは、それが本当にうまくいくのか、という話です。
長期保有というのは、「長期間保有を続けたら、それなりの利回りになった」という過去の経験則が、今後もずっと続くという前提条件があります。
過去の経験則が、今後も通用するという保証はどこにもありません。このあたりのことを、99%のFPは説明していませんし、説明できません(自分で投資して成果を出していないから)。
つまり、長期保有は20年後、30年後は出たとこ勝負である、というリスクを全て自分で抱え込んで投資することになります。
一方、私が実践している、株価のトレンドに応じて売買する手法は、株価が大きな上昇トレンドになった場合、利益をどんどん伸ばすことができます。
逆に、株価が暴落するようなときも、株価が大きく下落する前に売却してキャッシュに換えることができます。
このように、株価変動に対する余計なリスクを抱え込むのではなく、リスクを自分でコントロールすることができます。危ない、と思ったらキャッシュにすることができるのです。海外積立投資ではこれはできません。株価が暴落するのを呆然と眺めるだけです。
私は、海外積立投資をこれから20年、30年やった結果お金が全く増えない、逆に減ってしまうというリスクを抱えて投資するよりも、日本株を株価トレンド分析により株価のトレンドに従って売買することで、20年~30年後に資産を着実に5倍、10倍にする方を選びます。
自分で売買して資産を増やす自信がないのであれば、海外投資も選択肢の1つです。うまくいけば、それなりに資産は増えると思います(2~3倍くらい)。
ただし、20年後、30年後の結果がどうなるにせよ、それは自分が受け入れる必要があります。投資に絶対はありません。
個人的には、成功しても2~3倍、失敗すればマイナスという海外積立投資という手法より、すでに自身で成果を出している、成功すれば20~30年で何十倍にも資産が増やせる株価トレンド分析の方を選びます。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。