ご質問の回答(11)

<ご質問>

足立先生、いつもブロク拝見させていただいております。今回、銘柄が急騰した際の対処についてご説明がありましたが、ご説明の内容は当該銘柄が持ち株の場合対応でした。他方、ウォッチ中の銘柄が急騰して25日線を超えてくる場合もあるかと思います。25日線から10%以上離れるくらい急騰した場合は縁がなかった思い諦めるのですが、7,8%程度迄のときは買ってみることが多いです。しかし、急騰した翌日には急落して元の値段近くに戻ってしまうことがとても多い気がします。先生は急騰して25日線を超えた場合、どのように対処されておられるでしょうか。通常と同様に、淡々と購入されるでしょうか。それとも警戒して購入を見送られるでしょうか。よろしければ先生のお考えをご教示いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

<回答>
私が25日移動平均線を超えたタイミングで新規買いを行う場合、多いのは25日移動平均線からのかい離率が1~5%程度となっているときです。時には25日移動平均線超えを見逃していたり、突然の株価急騰により25日移動平均線からのかい離が10%近くになってしまうものもありますが、その際は「自分がどうしても欲しい銘柄かどうか」で買うかどうか判断します。あまり重要性のない銘柄なら、10%かい離や8%かい離では買いを見送ってしまうことも多いです。

さて、急騰後翌日に急落してしまうというのはかなりの頻度で起こります。ですから、ある程度発生してしまうことは事実として受け入れざるを得ません。あとは、そうした事例をできるだけ軽減させることに力を注ぐべきです。そのためには以下のようなことが考えられます。

・新規買いはできるだけ25日移動平均線からのかい離が5%以内の場合に絞る。それ以上で買う場合は、自分にとって重要性の高い銘柄のみとする。

・業績が伴わずに株価が急騰する場合、株価上昇は短期間にて終わり、その後急落することが多いため、できるだけ業績の伴った銘柄を選ぶようにする。

・大型株より小型株の方が急騰→急落となることが多いので、あまり小型株ばかりを手掛けないようにする。

・例えば今日のような相場環境では、寄り付きで買うとそこが高値で、そこから株価が急落してしまうことがよくあるが、「買ったそばから急落」という動きが相次ぐようであれば、相場環境が良くないので急騰銘柄をむやみやたりに買わないようにする。

・どうしても欲しい銘柄であれば、例えば25日移動平均線から2~3%程度上方に逆指値の買い注文を入れておく。こうすれば突然の急騰があったときも比較的安い価格で買うことができる。

ダラダラと書いてしまいましたが、まとめると株価急騰で25日移動平均線を大きく(5%超10%以下)超えた銘柄については、本当に自分が欲しい銘柄でない限り買いを見送ることにすれば、急騰→急落に巻き込まれることも少なくなると思います。
本当に欲しい銘柄の場合は、多少の損失覚悟で買い向かえばよいでしょう。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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