<8月10日の日本株>
連休を控えた8月10日の日本株は、朝方は高かったもののそこから下落に転じ、日経平均株価の終値は前日比8円97銭安の19729円74銭でした。TOPIXも小幅下落、マザーズ指数も下落しました。
値上がり銘柄1464に対し値下がり銘柄2098と値下がり優勢、年初来高値更新銘柄は96、年初来安値更新銘柄は50でした。年初来安値更新銘柄がだいぶ増加してきました。
8月10日のADA指数は40.3%となり、前日の48.0%から大きく低下しました。保有株に25日移動平均線を割り込むものが相次いだため、保有株の売却を進めたことによるものです。
<上昇トレンド銘柄は日に日に減少傾向へ>
個別銘柄の動きを見ると、エン・ジャパン(4849)、クスリのアオキホールディングス(3549)、日本M&Aセンター(2127)、アウトソーシング(2427)など高値更新銘柄もまだまだ少なくない一方、スター・マイカ(3230)、第一精工(6640)、サカタインクス(4633)など明確に25日移動平均線を割り込む銘柄も目立ちました。
また、年初来高値更新銘柄が減少傾向である一方、年初来安値更新銘柄は増加傾向であることも気になります。
私が日々ウォッチしている400銘柄の株価チャートから類推すると、現状で上昇トレンドを維持できている個別銘柄は、全体の30%ほどにまで減少しているものと思われます。
<シカゴ日経平均先物は19400円まで下落>
ここで、日本株全体の現状を整理しておきたいと思います。
まず、各指数の状況ですが、日経平均株価は25日移動平均線を割り込み、さらに2ヶ月間続いた持ち合いを下放れ始めたという動きです。さらに、週末のシカゴ日経平均先物が19400円どころまで下落していますので、このままだと明確に下放れるという動きになりそうです。
次にTOPIXは、25日移動平均線を少しだけ下回った状態で、まだ下降トレンド入りとは言えません。
そしてマザーズ指数は完全に下降トレンドとなっています。
また、為替レートは1ドル=108円台まで突入するなど、円高が進んでいます。
こうした状況で、もしアメリカ株が下落に転じ、かつ為替レートがさらに円高に進んだ場合、日本株はかなり大きな下落になる恐れがあります。
ADA指数もだいぶ低下してきましたが、もし週明けに日経平均株価や個別銘柄が大きく下落した場合、私の保有株もかなり減ることになりそうです。
どう考えても、今は押し目買いの時ではありませんし、守りを優先すべき時です。上昇トレンドの銘柄の保有を続けることは問題ないですが、あまり強気になり過ぎると、一気に損失を膨らませかねない状況です。
<今が押し目買いのチャンスなど到底思えない状況>
もし、専門家が「今が絶好の押し目買いのチャンス」と言ったとしても、私は絶対にそうは思いません。もしふたを開けてみて、押し目買いのチャンスになったとしても、それは結果論です。今のようなタイミングで押し目買いを繰り返していたら、いつかくる大暴落で、資産の大部分を失うことになるでしょう。
私の投資手法は、いかに大きな損をしないか、を最重視しています。大損をしたくないのであれば、市場全体が上昇トレンドになったのを確認してから新規買いすればよいだけです。
こんな簡単なことを、ほとんどの投資家ができないから、90%の個人投資家が株式投資で成果を出せないのです。
私の投資手法は、大きな下げ相場になるほど本領を発揮します。下げ相場の初期段階で保有株を売却することができるからです。
おそらく、日経平均株価が19000円を割り込むころには、ADA指数はゼロ近くになっていることでしょう。仮に、日経平均株価がさらに下落し、18000円、17000円、16000円になったとしても、19000円どころで保有株の大部分を売却してしまいますから、全く影響がないのです。
大暴落を涼しい顔で乗り切る方法、それが私の実践する株価トレンド分析です。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。