日経平均株価急落ー2017年8月9日の日本株

<今日の日本株>
8月9日の日本株は急落となり、日経平均株価の終値は前日比257円30銭安の19738円71銭でした。TOPIX、マザーズ指数も大きく下落し、全面安の展開となりました。

今日の値上がり銘柄729に対し値下がり銘柄2897と値下がりが圧倒的に多い状態、年初来高値更新銘柄はだいぶ減って83、逆に年初来安値更新銘柄は44まで増加しました。

今日のADA指数は48.0%となり、前日の56.2%から大きく低下しました。25日移動平均線を割り込む銘柄がかなり生じていたため、売却を進めたことなどによるものです。

<上昇トレンドの銘柄はより少ない状況に>
個別銘柄でみると、クスリのアオキホールディングス(3549)、ジェイエフイーホールディングス(5411)などが高値更新、ステラケミファ(4109)は好業績を受けストップ高になるなど、強い銘柄もそれなりにあります。

一方、SUMCO(3436)、エレコム(6750)、日本エスコン(8892)など、明確に25日移動平均線を割り込む銘柄も数多く出ました。

上昇トレンドの強い銘柄は日に日に減少しており、本格的な調整局面が来るかもしれません。いずれにせよ、下降トレンドに転じたら速やかに保有株を売却しておけば、問題ありません。

 

<今日は買いの絶好のチャンスだったのか?>
今日の下落で、日経平均株価はもみ合いを下放れとなりそうな動きとなっています。私であれば、ここから先、さらに株価が大きく下がる危険性を感じるため、そこであえて買うことはしません。上昇トレンドに転じてから買っても全く遅くありませんから、そこまで待ちます。

しかし、投資のプロと呼ばれるある方は、今日が絶好の買いチャンスであるとして買いを勧めていました。

果たしてどちらが正しいのでしょうか?実は正しい・正しくないの問題ではなく、株価が上に行っても下に行ってもしっかりと対応するようにするのが最も重要です。

もし、投資のプロの予想に従い、今日新規買いをしたような人は、ここから新規買いした株の株価が急落したらどうするのでしょうか?ちゃんと損切りできますか?

でも、株価が上に行っても下に行っても対応できるようにしておけば、具体的には株価トレンド分析を用いていけば、大きな損失は避けることができます。

もし今日の下落が買いのチャンスだとしたら、ここからさらに株価が下落した場合はどうするのでしょうか?非常に心配です。少なくとも、私としては今日の下落は買いのチャンスではなく、売りのラストチャンスのようにも見えるのですが。

 

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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