ご質問の回答(17)

※お断り
ご質問の内容の重要性にかんがみ、先にこちらのご質問に対して回答します。それ以外にいただいている質問も順次回答しますのでお待ちください。

<ご質問>

今日の日本株(2月13日)での売買の実例についての質問です。ワールドホールディングス(2429)、日本管理センター(3276)は、共に13日大引け後に決算発表を控え、当日に買うのはリスクだと思いますし、25日線もまだ下降トレンドです。確かに日足では共にWボトムを上抜けてはいますが、決算後の暴落リスクもあるのに、なぜ新規買いされたのでしょうか。特に日本管理センターは13日には日足の高値抵抗線も上抜けできませんでした。チヤートの形だけなら私は様子見で対処します。新規買いの例としては先生の持論と反するように感じます。他の判断材料があったのでしょうか。

 

<回答>

ご質問ありがとうございます。結果としては、あまり適切ではない銘柄を例示してしまったかもしれません。ただ、決算直前の銘柄という事実は横に置いておくと、私がどのようなチャート形状になったら新規買いするのか、というイメージはある程度つかんでいただけたのではないかと思います。

まず、この2つの銘柄は、25日移動平均線が下向きで、株価が25日移動平均線を超えています。本来は25日移動平均線も上向きにならないと上昇トレンドとはいえないので、これはフライング気味の買いということになります。
フライング気味の買いをするかどうかは皆さん個々のご判断に任せるほかないのですが、安全策を取るなら25日移動平均線も上向きになるのを待ってから新規買いすればよいと思います。
私は、25日移動平均線が上向きになるのを待っているうちに株価が急騰してしまって買えなくなるのがいやなので、結構フライング気味の買いをします。特に好業績が続いている銘柄にその傾向が強いです(今回の2銘柄もそうです)。
確かにすぐ頭打ちになって損切りとなるケースも少なくないですが、うまく行くケースも多く、トータルでみれば特に問題はありません。

また、決算発表を控えたタイミングでの買いは、確かにリスクは高いです。実際に両銘柄とも再び25日移動平均線を割り込んでしまっています。ワールドホールディングスはひどい急落です。
ただ、私は決算発表による乱高下はあまり気にせずに売買しています。もともと「株価のトレンド」という基準で客観的に売買していますから、そこに「決算発表」という要素が入ってしまうと、判断が主観的になってしまうからです。
当然、決算発表を気にせず売買することにより、今回の上記2銘柄のように損切りになるリスクもあります。でも、逆に決算発表を待たずしてあらかじめ買った銘柄が決算で急騰しているケースも多々あります。それらをトータルすれば、十分にプラスに持って行けており、特に決算発表直前だから投資判断をいつもとは異なったものにする(例えば決算発表を控えている銘柄は新規買いしない)、ということにはしていません。

もちろん、決算発表前後は株価が乱高下してリスクが高いのは事実ですから、この時期に売買を控える、という戦略も非常に有用だと思います。
私の手法は決して唯一の正解ではありません。正解はたくさんあると思いますので、私の手法はあくまで参考としていただき、最終的にはご自身に合ったルールを決めて実行していただくのが望ましいと思っています。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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