9月16日の日本株と今週の投資戦略

<9月16日の日本株>
先週末9月16日の日本株は反発し、日経平均株価は前日比114円28銭高の16519円29銭で終えました。TOPIXも上昇、マザーズ指数も小幅に上昇しました。
とはいえ、方向感のない展開が続いていることは変わりありません。値上がり銘柄2239に対し、値下がり銘柄も1164あり、全面高の展開にはなかなかならないようです。7月中旬以降日経平均株価やTOPIXはボックス相場が続き、上下どちらのトレンドも出てていない状況です。
明確な上昇トレンドにならないと利益を得られにくいのは間違いなく、私の周りのプロ投資家も7月中旬以降は厳しいと話していました。このように、プロでも勝てない相場なのですからなおのこと個人投資家が利益を上げるのは困難で、こんな時に無理をする必要は全くありません。
16日のADA指数は10.3%と、前日の7.4%から少し上昇しました。多少の銘柄入れ替えを行った程度で、守り気味の姿勢に変化はありません。

<日銀金融政策決定会合とFOMC後の株価の動きを見てから行動を起こす>
今週は、何といっても日銀金融政策決定会合(20~21日)とアメリカのFOMC(現地時間で20~21日)という重要なイベントがあります。日銀金融政策決定会合では追加緩和の有無とその内容に、FOMCでは利上げの有無に市場参加者の注目が集まっています。
しかし、事前にこれらのイベントにより株価がどう動くかはまさに「神のみぞ知る」話であって、事前にヤマをかけて勝負をするのはお勧めしません。
本当なら、こんな相場では保有株を全部売ってキャッシュ100%にしてイベントを迎えた方が良いくらいです。しかし、保有すべき上昇トレンドの銘柄を全部売ってしまうことは忍びないですし、もしイベント後株価が急伸したならば売った株を買い戻すことも難しくなります。そこで保有株のヘッジという意味合いで、下降トレンドの銘柄を空売りしてトータルでプラスマイナスゼロに近い形にしています。

<内需系好業績銘柄の底打ち?>
ただ、空売り銘柄の有力候補だった内需系好業績銘柄の動きがここ最近変わってきました。株価が底堅く推移することが多くなったのです。例えばアインホールディングス(9627)、セリア(2782)、ニトリホールディングス(9843)、日本M&Aセンター(2127)、寿スピリッツ(2222)、アリアケジャパン(2815)などです。アリアケジャパンは下げ始めた時期が速かったこともあり、いち早く底を打ったような感じが株価チャートから読み取れます。
もともと好業績の銘柄であり、先の高値が天井でなければ底打ちすれば再び上昇に転じることになるでしょうから、これらの銘柄が上昇トレンドに転じたならば新規買いしてみる予定です。ただし、全面高が続く展開(2012年12月~2013年5月頃のように)であれば、内需系好業績銘柄より、輸出関連株や景気敏感株といった中低位株の方がパフォーマンスが良くなるはずなので、そちらに乗り換えるかもしれません。今の時点ではどうなるか分かりませんから、まずは内需系好業績銘柄の株価の動きに注目することとします。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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