<今日の日本株>
9月7日の日本株は上昇したものの後場にかけて伸び悩みとなりました。日経平均株価の終値は前日比38円55銭高の19396円52銭でした。TOPIXも上昇しましたが、マザーズ指数は1%以上の下落となりました。
今日の値上がり銘柄数は2307、値下がり銘柄数は1180と値上がり優勢、年初来高値更新銘柄は59まで増加、一方年初来安値更新銘柄は一気に15まで減少しました。
年初来高値更新銘柄数と年初来安値更新銘柄数の推移から見る限りでは、調整局面はひとまず終わった形になります。
今日のADA指数は37.2%となり、前日の30.2%から上昇しました。25日移動平均線近辺まで調整していた上昇トレンド銘柄を新規に買ったことや、ヘッジ売りしていた保有株が25日移動平均線を超えてきたことを確認して買い戻しをしたことなどによるものです。
<強い銘柄は高値更新の動き>
個別銘柄をみると、全体的に反発局面にはありますが、その中でも目を引く動きなのが、強い銘柄はさっそく高値を更新してきていることです。
例えばゲンキー(2772)、ツルハホールディングス(3549)、クスリのアオキホールディングス(3549)、アイダエンジニアリング(6118)、SEMITEC(6626)などです。
これらの銘柄は、実質昨日と今日の2日間の反発で、高値を更新しています。共通しているのは、9月5日までの調整局面においても、25日移動平均線を上回り上昇トレンドをキープしていたか、もしくは下回ってもわずかにとどまっていたことです。
私は9月5日の時点でもADA指数は26.6%ありましたが、これは全般が調整局面であっても、上昇トレンドをキープしていた銘柄をそれなりの額保有し続けていたことを意味します。
そしてこうした銘柄が、反発局面に入って一斉に上昇し、強いものについては高値を更新してきたということです。
株価というものは、上昇と下落を繰り返しますが、このとき弱い銘柄は上昇局面であまり上昇せず、下落局面で大きく下落し、下降トレンドを描いていきます。
逆に強い銘柄は下落局面であまり下落せず、上昇局面でしっかり上昇するので、上昇トレンドを描きます。
私は今回の調整局面で、下降トレンドに転じた銘柄は順次売却していきましたがその一方、上昇トレンドが続いている銘柄で買えていなかったものにつき、買いのチャンスを狙っていました。そしていくつかは昨日実際に新規買いをしました。
もちろん、大きな調整局面になれば、ほとんどの銘柄が下降トレンドになりますから、新規買いしたものについても損切りになってしまいますが、調整がどの程度の規模になるかは後になってみないと分かりません。
そのため、私は調整局面では「下降トレンドに転じた銘柄を売却する」と同時に、「上昇トレンドをキープしている銘柄の押し目買いの機会をうかがう」こともしているのです。
例えば上で挙げた銘柄のうちアイダエンジニアリングやクスリのアオキホールディングスは、高値更新で新規買いをできるよう、あらかじめ逆指値注文を入れておくこともできました。
個人的には、下降トレンドに転じた銘柄をいち早く売却するのが大きく負けないために最も重要と思っていますが、いつ調整局面が終わっても良いよう、上昇に備えた準備をしておくことも必要です。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。