ご質問の回答(46)ー株価トレンド分析と損切り

<ご質問>
いつもお世話になっています。

今回楽天証券のコラム400回のテーマの応募も兼ねての質問なのですが、現在、私は足立先生の著書とコラムとブログを最も参考にさせていただいています。

私は11年前から某長期投資推奨のアクティブファンドで、まったくリスク管理をしないでお任せしていたので、リーマンショックでの株価暴落で驚き、恐怖心からそのファンドは最も安い価格で解約してしまい、資産を半分にする大きな損失を出す大失敗をしました。

今度は他人任せにしないで、自己責任で自分で資産運用はしようと、7年前からP社の投資本を中心にいろいろと読んでみました。そして、超一流や一流の投資家とトレーダーの真似をしてみようと試みましたが、手法や心理など難解な事が多く、とてもすぐに実践できるような事ではありませんでした。

足立先生が第一回動画で解説で言っていたように、実践ではまるで初心者の私に真似できるものではありませんでした。

その点、足立先生の実践している株価トレンド分析は、単純明快なので、実践の初心者でも真似できそうです。しかし、私の場合、損切りは参入点で25日移動平均線の少し下に設定してしまうので躊躇なく実行できるのですが、そして、損切りはしても、そこから利益がトータルでプラスになればいいのですが、損切りばかりが増えてしまう場合も多々あり、そのような場合はこのまま損失が積み上がるのではないかと、かなり心理的に不安になります。

過去に大きな損失を経験しているので、どうしても年間のトータルでプラスにできる勝ち組の二流投資家に先ずなりたいです。

そこで質問なのですが、足立先生の場合は、勝率は低いが利益を伸ばせるので、トータルでプラスになる結果は出せているとのことで自信も感じられますが、「年間のトータルでプラスにできる自信のある勝ち組の二流投資家になるためにどうすればよいのか」を400回のコラムのテーマとして質問と同時に応募します。 よろしくお願いいたします。

 

<回答>
ご質問ありがとうございます。

まず私の投資手法である株価トレンド分析には「大きなトレンドが出ているときに圧倒的に強い」、逆に「トレンドが生じていないときは弱い」という特徴があります。

大きな上昇トレンドにあるときは利益が大きく伸びます。また大きな下降トレンドにあるときは下降トレンドの初期段階で全て売却できますから、損失を最小限に抑えることができます。

一方、トレンドが生じていないときは、買いと損切りの繰り返しになるので、小さい損失が積み上がります。

それでも、よほど相場環境が悪くなければ、年間トータルでプラスにはなるはずです。

私の投資手法のイメージは、5年~10年で一度やってくる大相場で資産を3倍に増やし、それ以外の時期はプラスマイナスゼロ程度でも良しとするものです。

10年で大相場が2回来れば、税金を考慮しても資産は5~6倍になる計算です。10年で6倍になるなら、悪くないと思います。

そして、25日移動平均線割れで売却を徹底していれば、大暴落に巻き込まれる心配もなくなります。

私の投資手法の強みは、取れるときに大きく取り、かつ守りを重視している点にあります。これは私自身がリーマン・ショックで大きな失敗をしていることも大きいと思います。

一方、どうしても相場環境に左右される部分が大きいので、毎年安定的に一定水準以上の利益を上げることは難しいかもしれません。

例えば年間で毎年安定的に10%以上の利益を得たい、という場合はデイトレードやスイングトレードなど、もっと短期間の投資で利益をコツコツと積み上げていくスタイルの方が向いているかもしれません。

ただ、この場合は仕事をしながらだと厳しいと思いますし、向き・不向きがあります。

私はデイトレードやスイングトレードは向いていないことが分かっていますので一切行っていません。

 

 

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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