<今日の日本株>
トランプ大統領就任式が終わってから最初の取引となった1月23日の日本株は、円高が進んだこともあり大幅下落となりました。日経平均株価の終値は先週末比246円88銭安の18891円03銭と、19000円を割り込みました。TOPIXも1%以上の下落となりましたが、マザーズ指数は小幅に上昇して引けています。
今日の値上がり銘柄1284に対し値下がり2235と、日経平均株価が大きく下落した割には、値上がり銘柄がかなり多かった印象です。昨年来高値更新銘柄は57、昨年来安値更新銘柄は3となっています。
今日のADA指数は54.1%となり、先週末の53.2%とほぼ変わらずでした。多少の銘柄入れ替えを行った程度で、今日の株価が大きく下がったこともあり積極的な新規買いは行っていません。
それでも、マザーズ指数にある程度連動する私のポートフォリオは、本日はプラスとなりました。体感的には指数の下落ほど、実際はそれほどひどくなかった、というところではないでしょうか。
<直近安値と25日移動平均線の間に株価が位置する銘柄多数>
私のウォッチ銘柄の株価チャートから推測すると、現状で下降トレンドの銘柄(25日移動平均線を下回っている銘柄)は7割ほどあります。
ただし、下降トレンドの銘柄にもいくつか種類があり、目立つのは直近安値と25日移動平均線の間に株価が位置する銘柄です。例えば野村ホールディングス(8604)やりそなホールディングス(8308)などです。そして、そもそも日経平均株価自体が、直近安値(18650円33銭)と25日移動平均線(19268円37銭)の間にあります。
大林組(1802)など、直近安値を割り込んで下落を続けている銘柄については、売却して再度の25日移動平均線超えを待てばよいのですが、上記のような銘柄は、25日移動平均線をわずかしか割り込んでいないこと、直近安値よりは上にあることから、売却せずに保有を続けているケースも少なくないと思います。実際、私も全株とはいかないものの、野村ホールディングスやりそなホールディングスについては保有株の4分の3はヘッジの空売りを付けていますが、残り4分の1はノーヘッジです。
25日移動平均線を割り込んでも、それがわずかな場合は、一旦売却した後すぐに反発して買い直し、という可能性もありますので、直近安値割れまでは売らずに保有を続けるという戦略は大いにあり得ます。
でも、直近安値を割り込んだ場合は、本格的な下降トレンドに突入する恐れがありますので、しっかりと売却をしなければなりません。
騰落レシオも91.5%まで低下しており、そろそろ調整一巡から反発に向かう時期が近づいているようにも思えますが、相場に絶対はありません。25日移動平均線を割れ、直近安値までをも割り込んだならば、一旦売却すべきです。ここで売却できないと、株価の下落が止まらなかった場合に大きな損失を抱えることになるのです。
もちろん、25日移動平均線を上回っている銘柄についてはそのまま保有継続で問題ありません。東京製鐵(5423)やアドバンテスト(6857)など、アベノミクス相場開始以来の高値を更新している銘柄もあり、こうした銘柄はさらなる高値が期待できますからむやみに売却してしまうのはもったいないです。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。