12月30日の日本株と今週の投資戦略

明けましておめでとうございます。本年も本ブログ、楽天証券コラム、書籍、セミナー、雑誌、新聞、ネット記事など様々な媒体により、個人投資家の皆様に有益な情報・知識の提供に努めてまいりますのでよろしくお願いいたします。

※2017年の年間の投資戦略につきましては、別稿にてまとめたいと思いますので、そちらをご覧ください。

<12月30日の日本株>
年末最終取引日の12月30日の日本株は、朝方こそ軟調だったものの後場に入って切り返しの動きとなりました。日経平均株価の終値は前日比30円77銭安の19114円37銭でした。TOPIXは小幅上昇、マザーズ指数は1%超の上昇となりました。
値上がり銘柄は2102、値下がり銘柄は1327となり、やや値上がり優勢でした。年初来高値更新銘柄は56、年初来安値更新銘柄は1でした。強い相場ながらもやや調整含みの銘柄も増えている、という状況です。

12月30日のADA指数は60.4%となり、前日の60.5%とほぼ横ばいでした。年末年始を挟むということもあり、あまり無理をせず、上昇トレンドかどうかはっきりしない銘柄については保有しない方針としました。年明け以降の株価の動きをみて改めて判断するつもりです。

<出遅れ銘柄の強さが目立つ>
12月30日は、銀行株、鉄鋼株、建設株、電機株など先駆して上昇した銘柄は、決して弱い動きではないものの、調整含みの動きが続いています。一方、11月に株価が下落傾向だったため相対的に出遅れとなっている内需系優良株、例えばアウトソーシング(2427)、寿スピリッツ(2222)、日本M&Aセンター(2127)、GMOペイメントゲートウェイ(3769)などは強い動きとなりました。
先駆銘柄が調整の間に、出遅れ銘柄が強い動きとなるという、まさに理想的な循環物色の動きとなっています。今のところ、日本株に弱気となる要素は出ていません。もちろん、個別銘柄ベースで下降トレンドに転じたものについてはいったん売却して上昇トレンドで買い直し、とするのが安全な戦略です。

<新興・2部銘柄の急騰が目立つ>
もう1つ、今日は新興市場銘柄、2部銘柄の株価急騰が目立ちました。例えばリアルワールド(3691)、フュートレック(2468)、オウチーノ(6084)などです。
こうした銘柄は株価上昇が長続きしない恐れもあるので、失敗した場合の損失が大きくならないようなタイミングで買うかどうか判断すべきです。具体的には25日移動平均線からのかい離が10%以内であれば買う、どうしても欲しい銘柄であればそれ以上のかい離で買うことは構わないが、損失が大きくなるリスクは受け入れたうえで買う、という形です。

その観点からみると、リアルワールドはかい離率8%ですから、買いタイミングの範疇にギリギリ入っているという感じです。フュートレックはかい離率12%で10%を超えていますから、損失覚悟でどうしても欲しいのであれば、少量買っておくという感じでしょうか。そして、オウチーノはかい離率が25%に達しています。私ならそこまでのかい離率の銘柄をここから新規買いすることは絶対にしません。縁がなかったと思ってあきらめます。

もちろん、25日移動平均線からのかい離が8%とか10%となっている銘柄ばかり買って、その後株価が下落して損切りが頻発すれば、損失もバカになりません。かい離10%というのはあくまでも上限ととらえ、できるだけかい離が小さいタイミングで買うように心掛けてください。

 

年明けのNY市場は高くなっており、為替も円安方向に動いています。シカゴ日経平均先物も19300円どころまで上昇しています。年明けの日本株はひとまず上昇してスタートしそうです。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

関連記事