<今日の日本株>
連休明けの10月11日の日本株は上昇し、日経平均株価は先週末比164円67銭高の17024円76銭で引け、17000円の大台を回復しました。TOPIXも上昇しましたが、マザーズ指数は下落しました。
日経平均株価は大きく上昇しましたが、個別銘柄でみると値上がり2025に対し値下がりも1336あります。年初来高値更新銘柄は104と高水準、年初来安値更新銘柄は11でした。
今日のADA指数は60.6%となり、先週末の58.3%から少し上昇しました。基本的には銘柄入れ替え、および若干の新規買いをしました。一方、弱い銘柄の新規空売りもいくつか実行しました。
<体感的には大幅上昇とは思えない・・・その理由は?>
今日は日経平均株価が0.98%上昇しました。これはそこそこ大きな上昇率ですが、私の保有株は高安まちまちで、トータルするとマイナスになりました。日経平均株価が165円上昇したのに保有株がマイナス・・・こうなるのは大概日経平均株価の上昇率の方がTOPIXの上昇率より高い場合です。つまり、NT倍率が上昇しているときです。
NT倍率は8月15日の12.81倍をピークに下落をし、9月27日には12.36倍まで低下しました。しかしその後は再度上昇に転じ、本日時点では12.55倍まで戻しています。
私のここ数日の損益はマイナスが続いていますが、その大きな理由はNT倍率の上昇、つまり日経平均株価採用の一部銘柄が強く、それが指数上昇を引っ張っているためと考えられます。
NT倍率が上昇を続ける限り、例え日経平均株価が上昇しても厳しい状況が続きそうです。とはいえ、日銀のETF買いがTOPIX中心にシフトしているはずですから、ここから再度NT倍率下落に転じることを期待します。
<巨額損失の日本郵船の値動きから見えてくるもの>
最近、内需系好業績株が軒並み弱い動きとなっていることは先日以来お伝えしているとおりです。一方、今日特筆すべき動きだったのは日本郵船(9101)が、先週末に巨額損失の計上を発表したにも関わらず、今日の株価が上昇していることです。そして直近高値も超えています。
これは、市場参加者が、日本郵船株の業績が今回の巨額損失で底打ちすると考えている可能性が高いからであるといえます。
海運株は景気敏感株ですから、業績がどん底の時点ですでに株価が底打ちしているケースが多いです。内需系好業績銘柄一辺倒ではなく、景気敏感株の底入れに対しても新規買いしておくのがよさそうです。なぜなら、今後日本株が明確に上昇に転じた場合、どのような銘柄がテーマとなるか、まだはっきり分からないからです。分からないなら、どう転んでも良いように対処しておくのが私の考え方です。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。