<今日の日本株>
7月21日の日本株は、1ドル=107円台まで進行した円安などを好感して朝方は大きく上昇したものの次第に弱る展開となりました。日経平均株価は前日比128円33銭高の16810円22銭で終わりましたが、一時は16938円96銭まで上昇する局面もありました。TOPPIXも上昇、マザーズ指数はかろうじて小幅高といった状況です。
昨日は、従来の二極化相場で買われていた銘柄群が強い動きとなり、循環物色の期待も高まりましたが、今日は一転して弱い動きで、結局は7月11日以降の、これまで弱かった銘柄が上昇するという流れに戻ってしまいました。
今日のADA指数は50.0%で、前日の46.6%から上昇しました。上昇トレンドの銘柄を買い、下降トレンド転換の銘柄を売るという銘柄入れ替えの結果多少上昇しています。
<調整局面での個別銘柄の底堅さに注目>
夜に入り、日銀黒田総裁の発言に為替が反応し、1ドル=105円台まで円高が進んでいます。その結果、日経平均先物も200円以上安くなっています。7月11日から今まで日経平均株価は1500円以上上昇したわけですから当然多少の調整は入ってもおかしくないわけで、あとは日経平均株価が調整した際、7月11日以降売られている銘柄群(二極化相場で上昇していた銘柄)が逆に強い動きになり、うまく循環物色が進むかどうかを見極めたいところです。
個人的には下落を続けるマザーズ指数のようなパフォーマンスとなっていて、ここ数日で銘柄をだいぶ入れ替えましたが、それでも二極化相場で上昇した銘柄の下落に引きずられる状況が今日もつづきました。
二極化相場で上昇した銘柄、例えばスタートトゥデイ(3092)、セリア(2782)、エニグモ(3665)、じげん(3679)、セプテーニ・ホールディングス(4293)、ニトリホールディングス(9843)などは、7月8日の株価と今の株価を比べると、大きく値下がりしていることが分かります。日経平均株価が1500円以上も上昇しているのにかかわらずです。株式分割の好材料を発表した日本M&Aセンター(2127)に至っては、寄り付き天井で大陰線という最悪の値動きとなっています。
私自身、7月8日まではこうした銘柄に助けられていたわけですからその反動が今になってきていると思えばその通りですが、もし物色対象が今後しばらく変わってしまうとしたら、それに対応した銘柄選択をしないと、下手をすると日経平均株価が3000円上昇しても全く利益にならないことも考えられます。そうならないよう、足元で強い動きの銘柄にシフトしているという状況です。例えば大成建設(1801)、前田建設工業(1824)、不動テトラ(1813)など建設株全般や、東京製鐵(5423)などの鉄鋼株、川崎汽船(9107)などの海運株、日本取引所グループ(8697)などは、長い間株価が調整したところからの立ち上がりとなっていて、上値を追っていく可能性は十分ありますし、もしここから頭打ちになり25日移動平均線を割り込んだら売却すればよいだけです。頭打ち⇒売却のことを考えれば、できるだけ25日移動平均線を超えてすぐの、25日移動平均線からのかい離率が小さいときに買う方がよりリスクを低めることができます。打診買いの域からは少し脱出し、買いを増やしている状況ですが、まだ及び腰といった感じです。日銀金融政策決定会合後の株価の動きを見極めたうえで強気に行くかどうかは判断するつもりです。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。