「連想ゲーム」も飛躍しすぎには要注意

今日は任天堂(7974)は大きく反落したものの、日本マクドナルドホールディングス(2702)が急上昇するなど、ポケモンGO相場はまだ続きそうな感じです。
そんな中、マーケットでは「ポケモンGO関連株」を探す動きに躍起になっています。株式投資は「連想ゲーム」のような側面もありますから、それ自体は自然な流れです。しかし、中にはこじつけのような関連銘柄も混ざっていて、十分に注意する必要があります。
例えば、ある専門家は伊藤園(2593)やドトール・日レスホールディングス(3087)がポケモンGO関連で狙い目であると伝えています。確かに、人々が外出すれば伊藤園のお茶をコンビニで買ったり、ドトールコーヒーで一休みするという需要はある程度は生じるでしょう。しかし、それによる業績へのインパクトはわずかと思われます。
また、昨日お話しした第一屋製パン(2215)も、単にポケモンパンを販売しているだけですから、ポケモンGOの大ヒットによりポケモンパンも爆発的に売れるとは考えにくいわけです。
もし、これらの銘柄がポケモンGO関連として大きく買われるようなことになれば、それはまさに「バブル」です。
テーマや材料との関連性が薄ければ薄い銘柄ほど、株価が天井を付けた後の下落スピードは速くなり、下落率も大きくなる傾向があります。そもそも業績の裏付けがない中での上昇ですから、あまり深追いせず、高値掴みをしないように気をつけて、新規買いするならば損切り価格をしっかりと設定したうえで買うようにしましょう。

でも、ポケモンGOの大ヒットにより、家に引きこもりがちの人たちが外出をし、様々な消費でお金を使い、さらには外出先で素敵な出会いがあり、結婚し、新しい家族が増えて・・・ということになれば、世界中の景気にとって大きなプラスになるのではないでしょうか。そうした意味では、社会現象になるほどの大ヒットをぜひとも願うところです。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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