今日の日本株(2016年6月28日)

<今日の日本株>
6月28日(火)の日本株は、前日のNYダウやナスダックの大幅続落によりヒヤリとしたものの、朝方の軟調な値動きから次第に強くなり、日経平均株価は後場に入ってからはプラス圏で推移しました。日経平均株価の終値は、前日比13円93銭高の15323円14銭でした。一方、TOPIXは下落したもののマザーズ指数は上昇と、かなりチグハグな動きを見せていました。
個別銘柄をみると、値上がり銘柄1989に対して値下がりは1439と高安まちまち、東証1部の新高値銘柄33に対して新安値銘柄はなんと298にまで増加しています。結局、先週金曜日の暴落からは落ち着きを取り戻しつつあるものの、強い銘柄は強く、弱い銘柄は弱いままの状況に変わりはありません。アメリカ株や為替レート次第では、日経平均株価も先週金曜日の安値を簡単に割り込んでしまうのではないかと危惧しております。
私は昨日空売りの3分の2を買戻したものの2分の1にしておけばよかったかも知れないと感じましたが、今日の日本株の動きをみるとやっぱりそうすべきだったと少し後悔しているところです。まだまだ厳戒態勢を解くわけにはいかないようです。
今日のADA指数はプラス2.1%(前日はマイナス3.4%)と、久しぶりにプラス圏に突入しました。昨日空売りの3分の2を買戻ししているため空売りが減少しているのに加え、今日強い動きを見せた銘柄への新規買いやヘッジ空売り買戻しなどを進めた結果です。サイバーエージェント(4751)など、強い銘柄は強いので、こうした銘柄を保有すること自体は今のところ問題ないと判断しています。

<とにかく無理をしないこと>
私のブログを毎日ご覧いただいている方であれば、イギリス国民投票よりかなり前の段階から私がかなり日本株に対して弱気になっていたことがお分かりいただけたと思います。その結果、先週金曜日の急落で致命傷を負わずに済んだ方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
私が急落による損失を回避できたのは、EU離脱を予想していたからではなく、日本株の大部分の銘柄が下降トレンドだったからです。要するにたまたま回避できただけなのですが、回避できたという事実こそが重要です。つまり、私の手法であれば、日本株が下降トレンドにあるときに株価が急落した場合は、損失を回避する、ないしは軽いダメージでやり過ごすことができるのです。
ただし、ここから「欲しかった株がだいぶ安くなったから買いのチャンス」と逆張りで買い向かう局面ではないこともご理解ください。現に、金曜日にあれほどの急落になっても、今日の新安値が298銘柄出ている事実は、全く下げ止まり、底打ちの兆しなど見られないということを如実に表しているからです。もし今の時点で新規買いするのであれば、かなり安くなった銘柄ではなく、あまり株価が下がっておらず高止まりしている強い銘柄を選択すべきです。それもできるだけ少量です。

思えば、昨年の8月に高値を付けて以降、日本株は中期的な下落相場が続いています。下落相場では、「いかにして利益を得るか」ではなく、「いかにして損失を小さくするか」が重要です。下げ相場で無理をして買いポジションを膨らませたところで、今年2月上旬や先週金曜日のような急落が突如として起こり、大きなダメージを受けるだけです。
私自身は、それでも上昇トレンドの銘柄があれば、投資資金全体に占める買いポジションの額を大きくしないように注意しながら無理のない程度に買うようにはしています。実際にポジションを持たなければ、マーケットの微妙な変化に気づくことができないからです。
でも、今年に入ってから全然うまく行かない、という方は、いっそのこと日本株全体が上昇トレンドに転換するまで株式投資をお休みしても良いのではないかと思います。何をやってもうまく行かないのは、下げ相場であることが最大の理由なのですから。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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