今日の日本株(2016年6月27日)

<今日の日本株>
嵐のような1日だった金曜日が明けた本日27日の日本株は、さすがに金曜日の売られすぎの反動もあったのか、大幅に上昇しました。日経平均株価は先週末比357円19銭高の15309円21銭、マザーズ指数も4%以上の上昇となりました。
今日のADA指数はマイナス3.4%となり、先週末のマイナス29.5%からマイナス幅が大幅に減少しました。これは昨日のブログにも書きましたが、空売りの買戻しを大量に行ったことが主な要因です。買いのヘッジの意味合いで空売りをしているため、買いがほとんどない状態で空売りを持ち続けると、その後株価が大きく上昇した場合利益確定の機会を逃してしまうことから本日買戻しを実行し、利益を実現させました。それ以外に、本日25日移動平均線を明確に超えた銘柄につけていたヘッジの空売りを外したり、少し新規買いしたこともADA指数上昇の理由です。
ただし、空売りの買戻しを行ったのは全体のおよそ3分の2で、残り3分の1はそのまま空売りを残すことにしました。これは、短期的には株価が戻すだろうとは思うものの中長期的には下降トレンドの真っ最中であり、混沌とする世界情勢、それに伴う円高圧力などを考えると、株価はまだまだ底打ちには程遠いと感じているためです。
現に本日も、日経平均株価が350円上昇しているにもかかわらず、年初来安値銘柄が163もあり、弱い銘柄は本日も下落が止まっていません。今日の株価の動きを見て、空売りの買戻しは3分の2ではなく2分の1でもよかったかな、と思うくらいです。

<やはり強い銘柄は強く、弱い銘柄は弱かった>
二極化相場では、弱い銘柄はいかに割安に思えたとしても無視して、強い銘柄につくのがセオリーです。そして、今日のような急落後の反発局面では、どれが強い銘柄で、どれが弱い銘柄かが明確に見て取れます。
例えば、金曜日の急落をもってしても上昇トレンドが維持された数少ない銘柄であるサイバーエージェント(4751)やニトリホールディングス(9843)、エニグモ(3665)は、本日非常に強い動きを見せました。エニグモに至ってはストップ高まで上昇しています。
さすがに金曜日の急落でわずかに25日移動平均線を割り込んでしまったものの強い動きが続いていた寿スピリッツ(2222)やセプテーニ・ホールディングス(4293)も本日早速切り返し、再び25日移動平均線を超えてきています。
また、直近では株価は崩れてしまったものの月足チャートでは上昇トレンドが続いていると思われる銘柄群、例えばデジタルアーツ(2326)やベネフィット・ワン(2412)も大きく上昇しました。
一方、弱い動きが続いている銘柄、例えば銀行株や鉄鋼株は、今日も値下がりし、年初来安値を更新する銘柄もありました。

<PER7倍から株価が半値になるのが下落相場>
誰もが知っている投資情報サイトで、「プロ」の人たちがあれこれ個別銘柄の推奨をしていますが、この局面で「株価が売られすぎてPERも6倍台と割安だから」という理由で銀行株を推奨しているのをみると、本当にこの人たちは身銭を切って株式投資をしているのかと非常に疑問に感じてしまいます。今後全面高の相場に移行するという兆しがあるならともかく、二極化相場の中で弱い銘柄の筆頭である銀行株へ投資しようなどとは私は全く思いません。
明日の楽天証券オンラインセミナーでPERについて詳しくお話ししますが、PERが6倍、7倍の銘柄を見つけて喜んで買っても、そこからさらに半値になってもおかしくないのが下落相場です。「PERが6倍、7倍なのに一向に株価が上がらない」という事実にこそ目を向けるべきです。そうした銘柄の株価が上がらないのには理由があります。今の相場環境において、下降トレンドの銘柄には一切手を出すべきではないというのが私の考えです。

 

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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