<今日の日本株>
4月22日の日本株は前日の大幅高にもかかわらず引き続き大幅続伸となり、日経平均株価は前日比208円87銭高の17572円49銭で引けました。朝方は安く始まったものの、引けにかけて上昇する展開でした。
ただ、個別銘柄をみると値上がり2062に対して値下がりも1357あり、全面高とはなっていません。現に、マザーズ指数は前日比マイナスで引けていて、今日の日本株上昇は日経平均株価採用銘柄の大型株がけん引したものであったことが分かります。
今日のADA指数は58.2%となり、前日の65.6%から低下しました。投資金額の多い個別銘柄の買いを一部売却したり、先行して上昇していた銘柄の中で25日移動平均線を明確に割ってきたものが生じたため空売りをつけたりしたのが低下の原因です。上昇トレンドに転換した銘柄への新規買いはできるだけ控え、ADA指数を上昇させないようにコントロールしました。
<木曜日の日銀金融政策決定会合へ向けて>
足元の株価上昇は、決して外国人投資家の中長期資金による腰の据わった買いによるものではなく、空売りをしていたヘッジファンドが日銀金融政策決定会合というイベントリスクを避けるための買戻しや、追加金融緩和を当て込んだ短期筋の買いによるものと思われます。そのため、イベントを境に相場の雰囲気が一変する可能性も大いにあります。
昨日も書きましたが、日銀金融政策決定会合前に株価が大きく上昇するようならば、追加金融緩和があってもなくても株価が一旦の天井をつける可能性があります。そうなっても大きな痛手を受けないようなポジション構築が必要と考えています。
直近で株価が25日移動平均線を超えてきたような銘柄は、すでにとっくの昔に超えている銘柄に比べて株価の動きは弱いといえます。そうした銘柄は、相対的にみて下げに弱いと考えられます。私が今日新規買いをあまりしなかったのも、昨日や今日になって25日移動平均線をようやく超えてきた銘柄は「弱い銘柄」である(もっといえば決算が悪い可能性が高い)と判断したためです。
日銀金融政策決定会合を境に株価が下落に転じる可能性、そして3月決算の銘柄の本決算発表が控えていることを踏まえると、次のような戦略がリスクコントロールのために有効と思います。
・少数の銘柄に資金を集中させず、できるだけ分散させる(決算発表後の急落によるダメージを小さくする)
・例えば投資可能資金の50~70%程度に抑えるなど、株式への投資金額の抑制(株式への投資金額が多いほど、株価下落時のダメージが大きくなる)
・相対的に株価の動きが弱い銘柄は避ける(決算が悪い可能性および下げに転じた場合下落が大きくなる可能性)
今は日本株全体が上昇トレンドにありますから過度の弱気になる必要はありません。4月上旬にはマイナスだったADA指数が現在60%近くの水準であることからもわかるとおり、私自身も弱気になってなどいません。でも、特に買いポジションがパンパンに膨らんでいる場合は、日銀金融政策決定会合を境に株価が下落しても痛手が少なくなるようにある程度の準備をしておくのが良いのではないかと個人的には感じています。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。