<今日の日本株>
年度末となる3月31日の日本株は、引け直前で大きく売られ、日経平均株価の終値は16758円67銭と、前日比120円29銭安となりました。
一方マザーズ指数は相変わらず元気で、本日もプラスで引けました。
今日のADA指数は56.4%となり、前日の64.0%から大きく低下しました。これは、保有株のうち25日移動平均線を明確に割り込んだものがいくつか出たためこれらを売却ないしツナギ売りしたという理由もありますが、最大の理由は新規空売りを追加実行したためです。
<売り仕掛けの影響を受ける銘柄は弱い>
今日の引け直前の急落も、おそらくヘッジファンドの売り仕掛けと思われますが、ヘッジファンドが売ってくるのは主に「日経平均先物」です。
したがって、日経平均株価の構成銘柄である225銘柄は、ヘッジファンドの売り仕掛けが入るとどうしてもその影響を受けてしまいます。
また、ヘッジファンドは「日経平均先物売り+円買い」で攻めてくることが多いため、日経平均株価構成銘柄でなくとも、輸出比率の高い銘柄は悪影響が生じます。ですから私はこのような銘柄の買いは極力控えるようにしています。
なぜマザーズ指数がこれほど強いのかと言えば、もちろん新興市場銘柄や中小型株に資金が流入しているからですが、その背景には、「新興市場銘柄や中小型株(特に内需系銘柄)」は、ヘッジファンドの売り仕掛けの影響を受けにくいという点があるはずです。
ヘッジファンドが売り仕掛けても、日経平均株価構成銘柄でなければ影響ないですし、円高になったとしても内需系銘柄には影響はありません。
これが、今も続いている、外需系大型株が弱く内需系中小型株が強いという二極化が生じている理由です。
<日経平均株価は下降トレンド転換ギリギリまで下落>
本日の日経平均株価16758円67銭に対し、25日移動平均線は16803円88銭ですから、すでに日経平均株価はわずかながら25日移動平均線を割り込んでいます。明日以降下げが続けば、下降トレンドへの転換が濃厚となってしまいます。
また、個別銘柄をみても、弱い銘柄から順次25日移動平均線を割り込み、下降トレンドに転換するものが日を追うごとに増加しています。
実は昨年8月のチャイナ・ショックの直前、私は保有株についてかなり多くの含み益がありました。しかし、株価が下落しても25日移動平均線を割り込まない限り原則として保有を続けましたので、実際に25日移動平均線を割り込んで売却する頃には、かなり含み益が減ってしまっていました。
<空売りを実行した理由>
現状、昨年8月のように、保有銘柄は順調に含み益が生じていますが、もしここから株価が大きく調整したなら、同様に含み益が大きく減ってしまう恐れがあります。
そこで、昨年8月のときの反省も踏まえ、下降トレンドに転じた銘柄を少しずつ空売りすることにしたのです。
もし、ここから株価が大きく下がることがあれば、すでに下降トレンドに転じた銘柄の方が大きく下落する可能性が高いと思われます。保有株を実際に売却するまでの含み益の減少を、空売り銘柄下落による利益によってある程度相殺することを期待して、空売りを実行しています。
2月12日に底打ちして以降、いちはやく25日移動平均線を超えた強い銘柄から順次買っていったことで、含み益を拡大することができました。空売りもこれと同様、いちはやく25日移動平均線を割り込んだ弱い銘柄から順次空売りを実行することで、今後日本株全体の調整局面がきたとき、保有株の含み益減少に対するヘッジの効果をあげることができるのではないかと思っています。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。