<今日の日本株>
連休明けの日本株はまたもや急落し、日経平均株価は先週末比479円安の17218円96銭となりました。今日は一部のフィンテック関連銘柄を除いては全面安となり、マザーズ指数も6%の下落と散々な相場でした。
これで大発会から6日続落、この間日経平均株価は約10%下落しました。
これまで上昇トレンドを維持していた数少ない銘柄も大部分が今日の下げで25日移動平均線を割り込んだため、今日のADA指数は先週末の11.5%から大きく低下し、△6.6%とついにマイナス圏に突入しました。
<個人投資家の投げ売り続出で優良株含め「総投げ状態」に>
これまで強い動きをしていた銘柄までも、今日は大きく崩れたため、買いポジションをかなり減らしていた私でさえも、結構な額の含み益が吹き飛びました。もし、投資資金の大部分を日本株に投資していたなら、恐怖すら覚えるような下げ方になっています。
下落相場の中盤までは、逆行高するような強い銘柄も散見されるのですが、今日は一部のテーマ株を除いては全滅でした。これは多くの投資家が大きな損失を抱えている銘柄と一緒に利の乗った銘柄も売却したためと思われ、外国人投資家のみならず、個人投資家の投げ売りも相当数出ているはずです。
その一方、すべての銘柄が売られる相場というのは、株価下落の最終局面であることも往々にしてあります。
<テクニカル面だけをみればどう見ても売られすぎ>
そして、テクニカル指標から見ても、かなり売られすぎの状態にあるのも事実です。例えば6日騰落レシオは21.4%と非常に低水準にありますし、25日騰落レシオに至っては57.8%と、2009年11月の57.6%以来の低い数値となっています。さらに、日経平均株価の25日移動平均線とのかい離率も、マイナス8.6%まで拡大しています。
ですから、通常であれば、今日もしくは明日あたりが底値になる可能性がかなり高いと思われます。
<とはいえリバウンド狙いをするなら無理のない範囲で慎重に>
ただし、リーマンショックのような暴落になった場合は、ここからまだ大きく下がることになりますし、目先の反発の後さらに深い下落に転じる可能性もあります。ここからリバウンドを狙いに行くにしても、あまり無理をしない方がよいのではないかと思います。
リバウンド狙いは結構難しいもので、もし先週末の時点で「日本株は売られすぎだから買いのチャンス」という専門家の言葉を信じ、今日の寄り付きから全力で買いに行ったとしたら、今日だけで10%の損失もしくは含み損を被ることになっていても全くおかしくありません。たった1日買いのタイミングがずれるだけで10%、20%の損失が簡単に生じてしまうのがリバウンド狙いなのです。リバウンド狙いをするならば、株価が少し反発したタイミングで実行し、底割れしたら速やかに撤退するのが望ましいと思います。
<私の投資戦略>
私は、保有株はほぼ売ってしまいましたので、ここからは目先の反発に備えて少量のコールオプション買い、リバウンド狙いで少量の日経平均先物買い、そして本日25日移動平均線を割り込んだばかりの相対的に強い銘柄を観察し、再度25日移動平均線を超えた場合は買い直しをするつもりでいます。直近の下落率が大きいだけの銘柄を単純にリバウンド狙いすることはしない予定です。
目先の反発は確実に近づいていますが、下降トレンドにあるのは確かなのですから、決して大量の資金で勝負にいくような局面ではないと思います。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。