アメリカ株高にどこまでついていけるかー2022年10月28日の日本株と今週の投資戦略

10月28日の日本株

10月28日の日本株は、寄り付きから大きく下げて始まり、その後急速に戻すものの引けにかけ再び売られました。日経平均株価の終値は前日比240円04銭安の27105円20銭でした。
TOPIX、マザーズ指数も下落しました。

値上がり銘柄1396に対し値下がり銘柄2448と値下がり優勢、年初来高値更新銘柄は32、年初来安値更新銘柄は70でした。

ADA指数は34.3%となり、前日の45.0%から低下しました。株価下落に伴い保有株の売却や新規空売りを実行したことによります。

週末のアメリカ株急騰で分かりにくくなった

個別銘柄をみると、ベース(4481)、タカトリ(6338)、メンタルヘルステクノロジーズ(9218)など高値更新となるものもありましたが、年初来安値更新銘柄が70に達していて、年初来高値更新銘柄32を大きく上回っていることから分かる通り、かなり弱い動きです。日経平均株価こそ25日移動平均線を割り込んでいませんが、個別銘柄を見る限りでは実質的に下げ相場に戻ってしまっていると判断し、私自身もポジションを落とし、さらなる下落に備えました。

しかし週末のアメリカ株が大きく上昇、日経平均先物も27530円まで上昇していて、水曜日につけた戻り高値に肉薄する水準です。

こうなってくると、再び上方向に向かうのか、という感じなのですが、アメリカ株の戻りのスピードがかなり急速で、いまだ下降トレンドの中の一時的な戻りにすぎないと仮定すれば、NYダウの上値余地もそれほどないのではないかと感じます。

さらに直近では円安も一服しており、アメリカ株が大きく上昇しても円高になってしまうと日本株は上がりにくくなってしまいます。

とりあえずの注目は、週明け大きく株価が上昇した後下にだれるのか、上方向にさらに伸びるのかを見極めることです。もし下にだれたら水曜日の高値を超えられないことになるため、さらなる下げに用心すべきですし、上方向にさらに伸びた場合は水曜日の高値を超えることになりますから、ある程度の強気で挑むべき状況となります。

引き続き、強い銘柄と弱い銘柄が明確に分かれていますので、弱い銘柄に安易に手を出さないようにし、強い銘柄が上昇トレンドを継続する間は保有して利益を伸ばすようにしましょう。また、決算発表シーズンが再び到来しますから、決算発表直前の銘柄は価格変動リスクが高いので避けた方が無難です。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

関連記事