引き続き下方向へ警戒ー2021年7月30日の日本株と今週の投資戦略

7月30日の日本株

週末かつ月末の7月30日の日本株は、小安く始まった後は下げ幅を大きく広げる展開となり、日経平均株価の終値は前日比498円83銭安の27283円59銭でした。
TOPIX、マザーズ指数も大きく下落しました。

値上がり銘柄733に対し値下がり銘柄3157と全面安に近い展開、年初来高値更新銘柄は35、年初来安値更新銘柄は96でした。

ADA指数は24.1%となり、前日の28.3%から低下しました。株価下落により下降トレンドとなった保有株を売却したことなどによるものです。新規買いや買い戻しも多少ありましたが、売却した金額の方がやや多かったです。引き続きロング・ショート戦略を継続中です。

日経平均株価は年初来安値更新間近に

個別銘柄をみると、ベイカレント・コンサルティング(6522)、ウエストホールディングス(1407)、日本郵船(9101)、商船三井(9104)など高値更新となる銘柄も散見されますが、マーケット全体としては下方向に動いています。概ね上昇トレンド銘柄が2割、下降トレンド銘柄が8割、といったところです。

日経平均株価は直近安値を割り込み、年初来安値更新も間近となる水準にまで下落しています。今年に入ってからの下げの特徴として、一気に大きく下げるのではなく、下がっては戻り、下がっては戻りを繰り返しながら、じわじわと下げています。

したがって、週明け以降再び株価が戻る場面もあるかもしれませんが、重要なのは日々の株価の動きではなく、株価のトレンドです。例えば2~3日株価が戻って、その後再び株価が下落する、といった動きが続く場面に、株価が戻ったタイミングで安易に買いを入れると、その後すぐに下落に転じて損切りを余儀なくされたり、損切りをしないとさらなる株価下落で塩漬け株になってしまったりします。

ですから、数日程度の小さな株価の波は無視して、もう少し大きな波をとらえるためには、25日移動平均線などある程度期間の長い移動平均線を基準に売買のタイミングを計った方が余計な売買を減らすことができます。例え2~3日株価が戻っても、25日移動平均線の下に株価があるなら安易に買わなければよいのです。

最近、損切り続きで損切り貧乏になってしまっている、という話をよく聞きますが、そもそも今は下げ相場なのですから損切りが続いて当然です。かくいう私自身も損切りがかなり多くなっていますが、今は利益を得るのではなく損失を大きくしない方が重要であることは以前から申し上げているとおりです。あまりにも損切りが続くのであれば、買いのポジションは小さくすべきですし、思いきって何も買わないという選択肢もあります。
下降トレンド銘柄が8割にのぼるような局面で、買いで勝負して利益を得ることは極めて難しいですし、無理して勝負に行けば傷口が広がる恐れが高いです。上昇トレンドが続く銘柄の保有は問題ありませんが、それでもポジションは抑えめにして、大きく負けないことを最優先にしていきましょう。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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