再び小型成長株受難+二極化継続ー2021年6月4日の日本株と今週の投資戦略

6月4日の日本株

6月4日の日本株は、朝方から安く始まり、後場幾分戻すものの終日前日終値を割り込む動きとなりました。日経平均株価の終値は前日比116円59銭安の28941円52銭でした。
TOPIXは小幅上昇、マザーズ指数は2%近くの大幅安となりました。

値上がり銘柄1743に対し値下がり銘柄2022とやや値下がり優勢、年初来高値更新銘柄は127、年初来安値更新銘柄は43でした。

ADA指数は52.9%となり、前日の60.6%から低下しました。下降トレンドになった保有株の売却や、25日移動平均線割れの銘柄への空売りを実行したことなどによります。引き続き買いの方が空売りよりもかなり多い形でのロング・ショートのポジションとなっています。

弱い銘柄の立ち上がりより強い銘柄の押し目が有効か

個別銘柄をみると、レーザーテック(6920)、第一稀元素化学工業(4082)、フェローテックホールディングス(6890)などが高値更新となっています。

一方、一時底打ちの可能性もみえた小型成長株は再び売られる展開で、強い銘柄がより買われ、弱い銘柄は売られるという元通りの二極化の動きに戻りつつある感触です。

私も、成長株の25日移動平均線超えで木曜日買いましたが、ことごとく金曜日に値下がりして25日移動平均線を割り込んだりしたため、即座に撤退したり、銘柄によってはドテン空売りを行ったりしました。

現在強い動きなのはコロナ悪影響銘柄、半導体関連株、海運、重工、そしてここ数日は自動車が強くなっています。あとは同じ業種でも強い銘柄と弱い銘柄が混在しているものもあります。鉄鋼は下降トレンドに転じた可能性が高まっています。

木曜日までは、成長株に再び資金が回ってくる可能性を考え、25日移動平均線を超えた成長株を買ったりしましたが、金曜日に大きく値下がりしてしまいました。この動きを見る限り、弱かった銘柄の反転上昇を買うよりも、上昇トレンドが続いていたものの一時的に株価が下落し、その後再び25日移動平均線を超えてくる、といった、強い銘柄の押し目買いを狙った方が効果が高いように感じます。

Youtubeをみると、年初来安値更新銘柄への逆張りの買いを推奨しているものも目立ちますが、それは危険な考え方です。確かに株価が下がっているのは確かですが、それは果たして割安になったのか、それとも会社の業績に変調をきたしているため株価が下がっているのかを見極めないと、安易な買いによってさらなる株価下落により損失が拡大してしまうからです。
実際には、株価が下がっている理由を個人投資家が推測するのは難しいですが、株価が下がって下降トレンドになっている間は買わない、とするだけでも十分リスクを削減できると思います。
逆張りで買い向かって株価上昇を待つのではなく、株価が反転上昇した初期段階で買う方がはるかに安全です。くれぐれも、株価が下落したからと言って喜んで買わないようにしてください。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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