マザーズ指数急落で中小型成長株壊滅ー2020年11月10日の日本株

<今日の日本株>
11月10日の日本株は、昨晩のアメリカ株がファイザーによる新型コロナウイルスのワクチン開発のニュースを受けて急騰した流れを受け、日経平均株価は朝方25000円を大きく超えました。しかしその後は失速し、終値は25000円を割り込み、前日比65円75銭高の24905円59銭でした。
TOPIXも上昇しましたが、マザーズ指数は6%を超える大幅安となりました。

値上がり銘柄2136に対し値下がり銘柄1758とやや値上がり優勢、年初来高値更新銘柄は110、年初来安値更新銘柄は2でした。

ADA指数は25.0%となり、前日の76.2%から大きく低下しました。25日移動平均線を割り込む保有株が続出したので、それらを売却したことによります。

 

<今からコロナ悪影響銘柄を買うとしたら?>
個別銘柄をみると、リクルートホールディングス(6098)、ホープ(6195)などが高値更新となっていますが、私が主力としている中小型成長株は朝から大きく値下がりし、ストップ安になるものもいくつかありました。

その逆に、新型コロナウイルスのワクチン開発のニュースをきっかけとして、航空株や旅行、観光、レジャー、イベント関連株といったコロナ悪影響銘柄が一斉に急反発し、ストップ高になるものも目立ちました。

私自身は、上昇トレンドの中小型成長株を大量に買い、かつ下降トレンドのコロナ悪影響銘柄を空売りしていたので、買いが急落、空売りが急騰という、完全なる股裂き状態に陥りました。

まだ、中小型成長株の中には上昇トレンドをキープしている銘柄もありますので、それらは保有していますが、ここからコロナ悪影響銘柄を買うかどうかは悩ましいところです。

例えば、本日、コロナ悪影響銘柄の1つであるANAホールディングス(9202)を寄り付きで買ったとすると、2703円で買えることになります。25日移動平均線からのかい離率は10%を大きく超える水準です。そして終値は2660円と、寄り付きからはマイナスになっています。

すでに本日の時点でも、非常に高く寄り付いているものが多く、それを買ってもほとんど利益になっていないか、もしくは損失になっています。

さらには、売買高も非常に多いため、明日以降売買高が膨らみ続けないと、あっという間に株価が下落する可能性もあります。

となると、コロナ悪影響銘柄を買うとしても、上昇が長続きせず買った後すぐ失速する可能性も考慮し、25日移動平均線からのかい離率が小さいもののみ買うようにするのが無難と思います。

朝から大幅高になり、移動平均線からのかい離率も大きい状態でないと買えない銘柄は、無理に飛びついて買わないようにする、買うにしてもその後の下落の可能性も考え、資金を抑えめにするなどの対応をすべきと個人的には思います。

 

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足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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