出遅れ銘柄全面高・行くところまで行くかー2020年5月8日の日本株と今週の投資戦略

<5月8日の日本株>
週末5月8日の日本株は、朝方から大幅高でスタートし、その後もじり高の展開となりました。日経平均株価の終値は前日比504円32銭高の20179円09銭でした。
TOPIXも大幅高となりましたが、マザーズ指数は前日の大幅高の反動もあり下落しました。

値上がり銘柄2968に対し値下がり銘柄873と全面高に近い展開、年初来高値更新銘柄は35、年初来安値更新銘柄はゼロでした。

ADA指数は35.9%となり、前日の32.8%から上昇しました。新規の買いはあまりしませんでしたが、空売り銘柄が軒並み大きく上昇したため買い戻しを行いました。

 

<個別銘柄の大部分が上昇トレンドに>
個別銘柄をみると、MonotaRO(3064)、HENNGE(4475)などが高値更新となるほか、鉄鋼株、海運株、建設株、商社株など出遅れていた銘柄が軒並み大きく上昇しました。

前日5月7日は新興市場銘柄が爆騰しましたが、8日は一転して出遅れ銘柄の反撃という感じです。私自身は、新興市場銘柄も出遅れ銘柄も持ってはいますが、新興市場銘柄の方が保有が多く、そうした銘柄は下落したものが多かったのと、かつ空売りをしていた弱い銘柄が軒並み急上昇したため、8日は損失となりました。

決算発表シーズンでもあり、弱い銘柄は決算も良くない可能性が高いことからそうした銘柄には空売りを実行して保有株のヘッジをしていたつもりでしたが、弱い銘柄が大きく上昇し、上昇トレンドになるものも日に日に増加しました。現状では、9割近い銘柄が上昇トレンドになっていると思われ、そんな中での空売りは不利になりつつあります。

こうなってくると、どこまで行けるかは分かりませんが、大部分の銘柄が上昇トレンドであることから、行くところまで行く、という感じになってくるのかもしれません。

では、全力で今から勝負に行くかと言えば決してそんなことはなく、やはり無理のない範囲での資金投下にとどめておくのが無難だと思います。

金融緩和でバブル相場継続の可能性もありますし、実体経済の予想以上の悪化で株価急落の可能性もあります。こんな難しい相場環境で勝負するのはギャンブルのようなものです。どっちに転んでもおかしくない状況ですから、どっちに転んでも致命的な失敗にならないようなポジションで当面の間は向かうのがよいのではないかと思います。

以前楽天証券のコラムやメルマガで書いたと記憶していますが、3月決算企業の決算発表時に、来期の業績予想を示さない会社が多いので、来期の業績が良いか悪いかをなかなか株価に織り込めない状態です。そのため、株価が急落するきっかけがなく、生きながらえているのではないかと思っています。

とにかく、今は多くの銘柄が上昇トレンドにあるわけですから、保有株についてはしっかりと利益を伸ばすことを心掛けましょう。そして、大きく上昇している銘柄の飛びつき買いにはくれぐれも注意してください。

 

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足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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