<2月28日の日本株>
週末かつ月末の日本株は引き続き大荒れの展開となりました。日経平均株価は一時1000円を超す値下がりとなり、21000円割れの局面もありました。終値も前日比805円27銭安の21142円96銭でした。
TOPIXも5%の値下がり、マザーズ指数は6%超の値下がりとなりました。
値上がり銘柄129に対して値下がり銘柄3914と完全なる全面安でした。昨年来高値更新銘柄は1、昨年来安値更新銘柄は759でした。
ADA指数はマイナス5.4%となり、前日のマイナス17.4%からマイナス幅が縮小しました。これは、28日に空売りを全て買い戻したことによります。まだマイナスになっているのは、空売りでヘッジしている保有株の買い単価と空売りの単価の差によるもので、実態は空売りゼロで、ほんのわずかの買い持ちが残っています。
<通常であれば2月28日もしくは3月3日で底打ちの可能性が高いが>
個別銘柄はほぼ全ての銘柄が25日移動平均線を大きく割り込み、もはやなす術無しという感じです。ただ、ここまで急激に株価が下げた結果、各種テクニカル指標では売られすぎを示すものが続出しています。
例えば25日騰落レシオは53.3%まで低下し、これは5年~10年に一度というレベルです。また、昨年来安値更新銘柄759というのもかなりの水準です。
さらには、信用評価損益率も、最新の数値が出るのは数日後ですが、おそらく2月28日時点でマイナス20%を割り込んでいると思われ、個人投資家の投げ売りが続出する水準です。(株価が底打ちする条件として、個人投資家の投げ売りが出てくることが必要となります)
日経平均株価の25日移動平均線からのマイナスかい離率も一時10%に達していて、これも通常であれば反発する水準です。
ただ、今回の下落が新型コロナウイルスによるものが大きく、通常の下落と異なる、つまりリーマン・ショック級の下落になるとしたならば、まだ下げ止まらないことになります。
個人的にはリーマン・ショック級の下落にはならないとは思いますが、私自身がリーマン・ショック時に、同じことを考えて持ち株を大量に保有し続けた結果、大きなダメージを受けましたので、あまり無理をして買い向かうことはしないようにしたいと思います。
基本線はいつも通り、25日移動平均線を超えた銘柄を買うこととし、底打ちを買う場合は必ず損切り価格を設定してそれを守るようにします。
確かに底打ちの可能性もかなり高いですし、底打ち近辺で買えれば非常に安い株価で買えることになりますが、やはり万が一のことを考えると、私は勝負に行くことには躊躇してしまいます。
もしここで買い向かったとして、失敗した場合の損失がどの程度になりそうか、そしてそれを受け入れるだけの金銭的余裕、精神的余裕があるかどうかを自問自答して、無理のない範囲で攻めるようにしてください。
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10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。