日経平均株価大幅高ー2018年11月2日の日本株と今週の投資戦略

<11月2日の日本株>
週末11月2日の日本株は、朝方から大きく上昇し、後場になると一段高となりました。日経平均株価の終値は前日比556円01銭高の22243円66銭でした。
TOPIXも上昇しましたが上昇率は日経平均株価に劣りました。マザーズ指数は3%超の上昇となりました。

値上がり銘柄2753に対し値下がり銘柄980と、日経平均株価やマザーズ指数が大幅高となった割には値下がり銘柄が多い印象です。
年初来高値更新銘柄は11、年初来安値更新銘柄は54でした。

ADA指数は10.5%となり、前日の3.4%から上昇しました。25日移動平均線を超えて上昇する銘柄への新規買いなどを実行しましたが、まだ不透明な相場環境なので買いは控えめにしています。

 

<2016年2月のチャイナショックと同様の動きにも警戒>
個別銘柄をみると、日経平均株価大幅高の割には値下がり銘柄が多く、先物主導による買い仕掛け、もしくは売り方の買い戻しといった感じがします。

もちろん、強い銘柄は25日移動平均線を超えてきているため、そうした銘柄については買い目線でよいと思いますが、さすがに投資資金をどんどん投入するような状況とはいえません。

アメリカ中間選挙も間近に控えていますし、決算発表シーズンの乱高下も警戒する必要があるので、基本は守り優先で、強い銘柄を少量買う、というイメージです。

逆に、25日移動平均線で頭打ちになって下落に転じる銘柄は、空売りを実行するのも悪くないと思います。

いずれにせよ、どちらに大きく動くかまだ分からないので、決め打ちをするのは避けた方がよいでしょう。

さて、10月22日~26日の週の信用評価損益率が先日発表されました。それによると、マイナス16.07%でした。
個人的には、まだ信用取引で損をしている投資家の投げ売りがあまり感じられないと思っていましたが、やはりマイナス16%では我慢してしまう投資家も多かったのではないでしょうか。

過去の信用評価損益率のデータをみると、非常に興味深いことがあります。それは、2016年2月のいわゆるチャイナショックのときです。
この時は、年始から株価が下落を続け、一旦反発したもののそこから再度大きく下落、数多くの個人投資家が甚大なダメージを受けました。

実はチャイナショックのときの第一段の下げのときの信用評価損益率も、今回と同じ約16%でした。そこから少し反発したものの底割れし、結局はマイナス25.76%まで低下しました。

信用評価損益率がマイナス25.76%というのは、かなりエグいです。信用取引をしていて含み損を抱えている個人投資家の多くは、投げ売りせざるを得ない水準です。

私は今の株価の動きをみて、2016年2月と同じようになる可能性も大いにあると思って警戒しています。もしそうならば、10月下旬の下落局面で喜んで買い向かった投資家は大きな損失を被る危険性が高いです。

もちろん、ここから何も問題なく上昇トレンドへ転じる可能性もありますから、決め打ちすることはしません。でも、個人的には下に向かう可能性を常に想定しながら慎重に投資していきたいと思っています。

 

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足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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