<ご質問>
いつもブログでの情報提供有難うございます。毎朝、足立様のブログを拝見するのを楽しみにしております。
毎日ADA指数をチェックし1年半になりますが、疑問に思ったことを質問させていただきます。
相場の上昇時には、ADA指数が80%程度まで上昇するという点から考えますと、相場の下落時には、ADA指数が反対に△80%程度までいくということは可能性としてあるのでしょうか?
2016年1月の日本株暴落時においてもADA指数が△10%程度であったため、少し疑問に思いました。
なお、昨今の地政学リスクに備えたプットオプションの買いという戦略も学ばせて頂きまして早速実践しております。
一方で二極化相場の場合には、ADA指数と同じパーセンテージの空売りを行っておけば、万が一の暴落時には、すべての株価が下がるため、ヘッジの効果が得られ、かつ暴落が起こらなければ、買いと売りで両方から利益を期待できるため、有効な戦略になりうるのではないかと考え、実際に実証実験を始めているところです。そのような戦略の場合には、ADA指数が0%になってしまいます。
いつか必ずくる大暴落に備えて、ADA指数と空売りに対する足立様のスタンスをお聞かせ頂けますと幸いです。
<回答>
ご質問ありがとうございます。
ADA指数の見方として、保有株がゼロになると0%になります。ADA指数がマイナスになるのは、買いより空売りの方が多くなるときです。
現状では、日経平均株価やTOPIXの長期トレンド(月足)が上昇トレンドですから、積極的な空売りは不利と判断して、原則としては行っておりません。
2016年1月の際は多少は空売りを入れましたが、それでもそれほど大きな規模ではありません(だからADA指数はマイナス10%程度までしか下がらなかったのです)。
ご質問の、「暴落が起こらなければ、買いと売りで両方から利益を期待できる」というところは意味が良く分かりませんでした。
暴落が起こらなければ、買いは利益になり、売りは損失になるような気もします。
買いは利益になり、売りも利益になるようなポジションを組めれば理想的ですが、実際にはなかなか困難です。逆に買いは損失、売りも損失という「股裂き状態」のリスクがあります。
もし大暴落が起きたとしても、基本は下降トレンド入りで保有株を売却していれば問題ありません。リーマンショックの時も、これで対応可能でした。
問題なのは、上昇トレンドの状況の中、突然の事件、事故などで株価が急落するケースです。イメージとしては東日本大震災後の状況です。
こうしたケースでは、プットオプションの利益をもって、保有株の損失の一部を補てんすることが有効となります。
空売りについては、先に述べた通り、日経平均株価の長期トレンドが下降トレンドにならない限りは積極的には行わないつもりです。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。