好決算の銘柄が買われる展開-2017年8月16日の日本株

<今日の日本株>
8月16日の日本株は前日終値を挟んで小動きに終始し、日経平均株価の終値は前日比24円03銭安の19729円28銭でした。TOPIXも小幅下落となりましたが、マザーズ指数は大きく上昇しました。

値上がり銘柄2104に対して値下がり銘柄1427とやや値上がり優勢、年初来高値更新銘柄は100、年初来安値更新銘柄は26でした。
年初来安値更新銘柄数が年初来高値更新銘柄数を逆転したのは14日の1日だけで、ひとまずは大きな下落は回避した格好です。

今日のADA指数は43.8%となり、前日の39.4%から上昇しました。上昇トレンドにある銘柄の新規買いや、25日移動平均線を明確に上回ってきた銘柄の買い戻しなどを行いました。

<好決算の銘柄が引き続き買われる展開に>
今日は、ペッパーフードサービス(3053)、GMOペイメントゲートウェイ(3769)、クレスコ(4674)、ジャパンインベストアドバイザー(7172)などが高値更新となりました。

3月決算企業の第1四半期決算発表が出そろい、おそらく機関投資家や外国人投資家が、決算内容の良い銘柄を買い、決算内容の悪い銘柄を売る動きが生じているように感じます。
つまり、決算の良い銘柄は右肩上がりに上昇、決算の悪い銘柄は逆に右肩下がりに下落という、ある意味分かりやすい動きとなっています。

単純に、決算内容が良く、上昇トレンドの銘柄を、高値掴みには注意するようにして投資しておくのが、今の相場環境では最も適切な手法ではないかと思います。

<急上昇で買えなかった銘柄は無理に追い求めない>
私がウォッチしている銘柄の中には、決算発表により株価が急上昇し、上昇の初期段階で買うことができなかったものもいくつかあります。

例えばワールドホールディングス(2429)もその1つです。
25日移動平均線付近でうろうろしていたので、明確に25日移動平均線を超えたのを確認してから買おうと思っていました。
しかし、決算発表により株価は急上昇、25日移動平均線からのかい離率は10%を超えてしまいました。

私は自らのルールとして、25日移動平均線からのかい離率が10%を超えるような状況からの新規買いは行わないようにしています。高値掴みを防ぐためのルールです。

それに従い、ワールドホールディングス株を買えないまま、今まで来てしまっています。その後ワールドホールディングス株は毎日株価が上昇していて、今日も高値を更新。株価急上昇のタイミングで飛びついて買ったとしても、十分に利益が出ている状況です。

こうした状況からみれば、株価急上昇時に飛びつき買いをすればよかった、という結論になりがちですが、それは結果論です。もしかしたら、株価急上昇後、すぐ天井を売って下落に転じたかもしれません。

では、私は今何をしているかというと、ワールドホールディングス株の株価が少し下がり、移動平均線からのかい離率が小さくなるのを待っているという状態です。
もしここから株価が下がらずにさらに大きく上昇していくのであれば、新規買いはあきらめます。

上場銘柄は約3500もあるのですから、ある銘柄を決算発表後の株価急騰で買いそびれたとしても、他の銘柄を探せばよいだけです。
株価上昇に乗れなかったのは確かに悔しいですが、そこは運がなかったとあきらめ、気持ちを切り替えていくことが重要と思っています。
株式投資、いつもそんなにうまくいくものではありません。失敗や後悔の連続です。大事なのは、それを引きずらないようにすることです。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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