ひとまず日経平均株価は下げ止まりー2017年8月15日の日本株

<今日の日本株>
8月15日の日本株は、北朝鮮情勢の緩和期待やアメリカ株高、円安の影響もあり、大きく反発しました。
日経平均株価の終値は前日比216円21銭高の19753円31銭でした。TOPIXも大きく上昇しましたが、マザーズ指数はほとんど上昇しませんでした。

値上がり銘柄2672に対して値下がり銘柄924と値上がり優勢、年初来高値更新銘柄は99まで増加する一方、年初来安値更新銘柄は27まで減少し、年初来安値更新銘柄数が年初来高値更新銘柄数を逆転する現象は、昨日の1日だけでとりあえずは終わりました。

今日のADA指数は39.4%となり、前日の33.5%から上昇しました。上昇トレンド銘柄の新規買いをしたほか、反発して25日移動平均線を超えた銘柄の買いやヘッジ空売り買い戻しなどを行った結果です。

<強いものは強いが・・・>
個別銘柄をみると、TOKYO BASE(3415)、トラスト・テック(2154)、ペッパーフードサービス(3053)、ステラ ケミファ(4109)など、強い銘柄は強く、高値更新を続けています。
また、フェローテックホールディングス(6890)やエスフーズ(2292)など、再度25日移動平均線を超えてきたものも散見されました。

一方、下降トレンドにある銘柄は確かに下げ止まったものも多いものの、25日移動平均線の下で推移している銘柄がほとんどです。

今日は日経平均株価が大きく上昇する一方、マザーズ指数はほとんど上昇していないことからも、主に北朝鮮情勢を嫌気した先物売りの買い戻しによる反発だったものと想定されます。

となれば、今までの流れを変えるまでの動きとはならず、下降トレンドの銘柄を慌てて買い戻すこともありません。

もちろん、下降トレンドの銘柄が上昇トレンドに転換したら、その時は新規買いをしなければなりませんが、現時点ではごく少数です。全力で押し目買いをするようなタイミングではなく、まだ守り優先の状況であることは確かといえます。

<決算発表による急落を事前に避けられた銘柄・そうでない銘柄>
ここ最近、決算発表の結果を受け、株価が大きく値下がりした銘柄もありました。そのうち、事前に保有株を売却することで、損失を最小限に防げた銘柄も数多くあります。
例えば、マイネット(3928)やWASHハウス(6537)、うるる(3979)などは、決算発表を受けストップ安まで売られましたが、それより以前にすでに株価が25日移動平均線を割り込んでいましたから、売却しておくことができました。
WASHハウスであれば、5000円どころで売却することができています。一方、もし保有を続けていたとすると、そこからさらに株価が50%近くも下落している状況です。この差はとても大きいと思いませんか?

もちろん、川田テクノロジーズ(3443)やダブル・スコープ(6619)、カヤック(3904)のように、上昇トレンドだった株価が突然急落してしまうケースもあります。事前に売却できませんから仕方ありません。こうしたケースは、どの手法をつかっても差がつきませんから、事故と思ってあきらめるほかありません。できるだけ資金を分散させて、ダメージを薄めるという対策を常日頃から習慣づけておくべきです。

重要なのは、25日移動平均線を割り込んだら一旦売却する、という行動をすることにより、上のマイネットやWASHハウス、うるるなどを保有し続ける場合よりも損失を小さく(利益を大きく)することができるという点です。この積み重ねが、投資成果の差になって、現れてくるのです。

成長が鈍化した成長株を持ち続けていると、天井をつけたあと、自分が思っている以上に大きく株価が下落します。3分の1や5分の1になることも珍しくありません。ファンコミュニケーションズ(2461)の2013年以降のチャートを見れば、この恐ろしさがわかるはずです。
将来成長が期待できるといっても、所詮それは予想に過ぎます。ですから株価のトレンドにかかわらず保有を続けるのではなく、下降トレンドに転じたら一旦売っておくべきなのです。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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