<ご質問>
いつも拝読させて頂いております。
オプション未経験者です。
①オプションの値段について、以前楽天証券さんのコラムの中では5円~10円、高くても20円までとされていたかと思います。
今回は以前よりも値段が10円から30円に上がっていますが、私自身の保有株式の金額とパーセンテージに合わせて5~10円をターゲットにプットを買い建てても良いのかと思いますが、いかがでしょうか?
②オプションの使い方として、リスクヘッジとしてのプットの買いのみとしてお使いになっていますか?
③空売りをされていることもあるかと思いますが、オプションとの使い分けはどのようにされていますか?
例えば、オプションは保有株式全体のヘッジとして、空売りは個別銘柄のツナギ売りや利益を取りに行く際にお使いになるといった感じでしょうか?
<回答>
ご質問ありがとうございます。
➀につきまして
楽天証券のコラムで書いたときと現在とでは、根本的な考え方自体は変わっていません。
オプションの値段が少し上昇したのは、オプションが5円~10円だと、現在の日経平均株価から4000円とか5000円も下の価格になってしまい、保有株のヘッジの効果を得られないと感じたからです。
現在は、日経平均株価から2000円~3000円下の行使価格のものを買っています。そうなるとおおむね10円~30円程度に収まるイメージです。
今でも、20円を超えたものを買うことはあまりありません。ボラティリティが高い時など、オプションの値段が全体的に上昇してしまっている場合は、30円を出してでも買うこともあります。
あくまでも、「5円~10円」という値段にとらわれるのではなく、現在の日経平均株価から2000円ないし3000円下の行使価格のものを買い、それが5円のこともあれば20円のこともある、という感覚でいた方が良いと思います。
➁私のオプションの使用法は、ほとんどがリスクヘッジとしてのプットの買いです。時たま、株価急騰があるかもしれない、と感じた時はコールの買いをすることもあります。
売りは、コールの売りであればうまくやれば利益になると思いますが、プットの売りは大暴落がおきると破産しますので、やらない方がよいです。
③空売りは、通常の下落、つまり個別銘柄の株価が調整局面を迎え、25日移動平均線を割り込んだときにツナギ売りに使います。また、相場環境が悪い時は空売りで利益を狙うこともあります。
対してプットオプションは、突発的な事件・事故などにより、上昇トレンドだった銘柄が大きく窓を開けて軒並み急落するようなことがあります。その時点から空売りをしても間に合わないのでプットオプションで備えています。
プットオプションは大暴落、急落のときしか役に立たない(価格が大きく上昇しない)ため、万が一の掛け捨ての保険という感覚で使っています。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。