今日の日本株(2017年2月27日)

<今日の日本株>
週明けの日本株は、為替レートが円高気味に推移したこともあって終日弱い動きとなりました。日経平均株価の終値は、先週末比176円07銭安の19107円47銭でした。TOPIXも1%超の下落となりましたが、マザーズ指数は小幅高となっています。

今日の値上がり銘柄1074、値下がり銘柄2458となっていて、値下がり銘柄が多いものの値上がりした銘柄も結構あるな、という印象です。決して全面安とはなっていません。
昨年来高値更新銘柄は56とだいぶ減少しました。しかし昨年来高値更新銘柄はゼロであり、現状では相場全体が下降トレンドになったとは到底言えません。あくまでも上昇トレンドの中の調整局面というのが現時点での解釈です。

今日のADA指数は54.9%となり、先週末の77.9%から大幅に低下しました。25日移動平均線を明確に割り込んだ銘柄が結構発生したため、保有株を売却したほか、一部の銘柄には新規に空売りを実行しました。ここ最近の為替相場の動き、そして25日移動平均線を割り込んだ日経平均株価の動き、さらには後述するように持ち合いを下放れた銘柄も散見されることから、ある程度の用心は必要と感じての行動です。ただし、明確な上昇トレンドが続いている銘柄については売却せずそのまま保有を継続しています。

<新規空売りの対象となるような動きの銘柄とは>
日経平均株価こそ200円近い下落となりましたが、個別銘柄をみると強い動きを見せるものも少なくありません。ジェイエイシーリクルートメント(2124)、フルスピード(2159)、シュッピン(3179)、パンチ工業(6165)などは上値追いの動きとなっています。RIZAPグループ(2928)は底値からの立ち上がりのような動きをみせていますし、リクルートホールディングス(6098)はきれいな右肩上がりの上昇が続き、株価のトレンドという面から見て売却を示唆するサインは全く生じていません。

しかし一方で、25日移動平均線を明確に割り込んできている銘柄も今日はかなり増加していて、それらについては保有株を一旦売却し、再度25日移動平均線を超えるまで様子見をする、というのが安全面から見れば得策です。
例えば、大和証券グループ本社(8601)、ローム(6963)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、ソフトバンクグループ(9984)などです。

特にソフトバンクグループは、今日の下落で明確に25日移動平均線を割り込んでいるほか、今まで8500円どころで下げ止まっていた抵抗帯をもあっさり割り込んでしまっています。つまり、持ち合い下放れの動きであり、これは空売りの急所となります。25日移動平均線超えで損切りと考えても、損失率は5%程度で済みそうであり、非常に空売りを仕掛けやすいポイントといえます。

また、大和証券グループ本社や三井住友フィナンシャルグループは、現時点でも明確に25日移動平均線を割り込んでいるため保有株は売却すべきですが、今の株価位置は、今年になって下げ止まったポイントでもあります。もしここからさらに下落し、それらの下げ止まりポイントを割り込んだ場合は、新規空売りも十分考慮すべき動きとなります。

もちろん、新規空売りまで無理にする必要はありませんが、25日移動平均線を割り込んだらとりあえず保有株はいったん外しておく、この癖を今からつけておけば、将来必ず訪れる大暴落の際も、下げの初動で逃げることができます。私の投資スタイルは「いかにたくさん利益を上げるか」ではなく「いかに大きな損失を避けつつそれなりの利益を上げるか」ですから、それに共感していただける方は、ぜひ実践していただければと思います。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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