ご質問の回答(15)

(ご質問)
足立先生の書籍を購入し、順張りの勉強をさせて頂いています。
また、毎日楽しくブログを拝見しています。
お忙しいとは思いますが、質問をさせて下さい。
上昇トレンドだったものが25日線を超えて下がった時、足立先生は売却かヘッジとしての空売りをするとのことですが、その「売却するか空売りするか」のどちらにするかの判断は、どのようにしていらっしゃいますか?

(回答)
書籍ご購入およびブログをご覧いただきありがとうございます。
ご質問の件ですが、基本は保有株の株価が売却時の株価よりかなり安いかどうかで判断します。

例えば25日移動平均線割れとなったときの株価が420円、保有株の買値が400円だとしたらヘッジ空売りではなく保有株を売ってしまいます。

しかし、上記の例で、保有株の買値が200円ならヘッジ空売りをします。

もし、この株が再度上昇トレンドに転じたときの株価が410円だったとすると、ヘッジ空売りであればその空売りを買い戻せば終了です。
でも、一旦保有株を売った場合は、再度株を買い直さなければなりません。このとき、株価が当初の買値より高くなっていると、同じ株数を買い直すことに抵抗が生じます。

例えば200円で5000株買っていたら投資額は100万円です。これを410円で5000株買い直すと205万円が必要です。
もちろん、25日移動平均線割れのときに売却して資金を確保できてはいますが、心理的に抵抗がでてしまい、例えば5000株ではなく3000株に減らして買い直すことになってしまいます。

200円と410円ならまだましですが、これが200円と1500円だったらどうでしょうか。当初は100万円の投資だったのが、同じ株数買い直すのに、750万円必要となります。かなり心理的な抵抗感があります。

一方、空売りの買い戻しであれば、上の例なら5000株をそのまま持ち続けたまま空売りを返済するだけでよいので、買い直しの心理的抵抗感が生じません。

もし当初の買値より高く買い直すことにつき心理的抵抗感がないのなら、ヘッジ空売りでなく一旦保有株自体を売却、という方法でもよいと思います。

なお、新興市場銘柄など、そもそも空売りできない銘柄の場合は売却するしか選択肢がありません。

 

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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