トランプ相場であまり利益を上げられていない個人投資家

昨日ようやく2か月ぶりに日経平均株価が25日移動平均線を割り込みました。株価指数が2か月間25日移動平均線を上回るというのはそれほど頻繁にあることではありません。常識的に考えれば、この2か月の間、個人投資家にとっても利益をあげやすい相場環境が続いたはずです。

しかし、信用評価損益率の推移をみると、個人投資家はトランプ相場であまり利益を上げられていないようです。
私は、信用評価損益率が個人投資家の実態をみるのに最も有効と思っているため、その推移を常にチェックしています。
トランプ相場が始まる前、昨年11月4日の信用評価損益率はマイナス12.36%、そして直近1月6日はマイナス7.36%です。

つまり、信用評価損益率の改善は、直近2か月で5ポイントにとどまっていることがわかります。

通常、バブル相場は、個人投資家が大挙して押し寄せ、高値掴みをすることで終了します。しかし今回のトランプ相場では、個人投資家が上昇相場自体にうまく乗れていないことになります。

となれば、もしバブル相場が本格化するなら、個人投資家が利益を得るチャンスはこれからめぐってくることになります。

ただし、1年に1~2回程度訪れる通常の反発局面であれば、そろそろ上昇は終了のタイミングです。

上昇終了か継続か、こんなことはいくら考えても予測できませんから、投資対象となる個別銘柄につき、25日移動平均線を超えている限り保有、割り込んだら売却、というシンプルなルールを設定・実行するのが現実的な対応方法だと思います。
もしバブル相場が今後本格化するなら、25日移動平均線を超えている銘柄を保有し続けるだけで、勝手に上のステージまで連れて行ってもらえます。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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