今回の株価下落の「震度」

1月25日付の株式新聞に面白いデータがありました。今回の株価急落による日経平均株価の25日移動平均線、75日移動平均線、200日移動平均線とのマイナスかい離の合計値を、過去の株価下落局面でのそれと比較したものです。

1月21日時点でのマイナスかい離合計は43.52%でしたが、実は過去の株価下落局面では、今回よりマイナスかい離合計が高かったケースが7回あります。ダントツは2008年10月のリーマンショック時でマイナスかい離合計は100%を優に超えています。
もし、リーマンショック級の下落だったならば、まだ下げの半分にも達していなかったということになります。
リーマンショック級まではいかなくとも、1月21日までの株価急落をさらに上回る規模の下落は、過去何回も起きているのです。
22日の買いは、結果的に成功ということになりそうですが、22日に反発せずさらに株価が下落した可能性も当然あったわけです。
やはり、大きな失敗を避けるためには、株価が底打ちして上昇トレンドに復帰するのを確認してから本格的な買いを入れるのが無難です。どの銘柄も株価が大きく下落してお買い得に見えるのは確かですが、ここからさらに株価が下落してもよいように、無理のない範囲にとどめるようにしましょう。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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