今から銀行株を買う場合どうすればよいか

「トランプ大統領」が決まってから、銀行株や証券株が値を飛ばしています。相場全体が大きく上昇する、いわゆる「大相場」では証券株のパフォーマンスが高いことが知られています。また、銀行株は世界的な金利上昇傾向を踏まえ、収益拡大期待から上昇しているものと思われます。

では、株価が底値からある程度立ち上がった現時点で銀行株を買おうと思った場合、どのような点に気を付ければよいでしょうか。ポイントは「高値掴みを避ける」「同業種の出遅れを狙う」という点です。
例えば、三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)の25日移動平均線からのかい離率は19.7%です。私は原則としてかい離率10%超の銘柄は新規買いしないようにしていますから、私ならこの時点で買うことはしません。
しかし、ここからどう考えても銀行株は上がるはず、持たずにはいられないというのであれば、少し保有することで気持ちが落ち着くなら多少は買っても良いと思います。ただし高値掴みのリスクはある点に注意です。できれば押し目を待ってかい離率がもう少し縮小してから買いたいものです。

もう1つ、他の銀行株をみると、例えばみずほフィナンシャルグループ(8411)は25日移動平均線からのかい離率がまだ8.2%です。とりあえず三菱UFJではなくみずほを買っておくという選択肢は大いに考えられます。
もちろん銘柄ごとに多少の値動きの違いはありますが、業種全体が上昇する場合は、その中のどの銘柄を保有していても、似たようなパフォーマンスが得られることが多いです。そのため、「出遅れ銘柄」への投資が有効になります。

証券株も同様で、野村ホールディングス(8604)の25日移動平均線からのかい離率は17.5%ですが、松井証券(8628)は3%しかかい離していません。そこで野村ではなく松井を買うという選択肢です。

(お断り)
本稿は個別銘柄に投資する際の考え方の1つを説明したものであり、取りあげた個別銘柄はあくまでも説明の例示に使用したに過ぎず、これらの個別銘柄への投資を推奨するものでは一切ありません。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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