<今日の日本株>
週明け11月7日の日本株は、朝方に「FBI長官がクリントン氏のメール問題について訴追しない方針」というニュースが流れたことを好感し、大統領選でトランプ氏勝利の可能性が低くなったとして大きく上昇しました。日経平均株価は先週末比271円85銭高の17177円21銭で終わりました。TOPIXやマザーズ指数も上昇しましたが、上昇率は日経平均より低くなっています。
個別銘柄では値上がり2479に対して値下がり989、年初来高値更新銘柄69に対し年初来安値更新銘柄16と、直近2日間の下落で急速に悪化した相場環境がかなり持ち直しました。
今日のADA指数は21.5%となり、先週末の15.9%から上昇しました。上昇トレンドに転じた銘柄や、ドンキホーテホールディングス(7532)やニチコン(6996)のように急速に切り返して直近高値を更新した銘柄も多く、それらの新規買い、買い直しを行った結果の上昇です。
<クリントン氏勝利で果たして株価急上昇となるのか?>
この原稿を書いているのは8日明け方ですが、ニューヨーク市場ではNYダウ、ナスダックともに2%以上の上昇となっています。おそらくクリントン氏の勝利をマーケットが織り込んでいるのでしょう。
では、クリントン氏が勝利したら果たして日米ともに株価が大きく上昇するかといえばそうとは思えません。足元の株価上昇は、あくまでも「トランプ・ショック」を警戒して2日間大きく下げたことの反動に過ぎないと思っているからです。
もちろん、私は相場の先行きを決めつけることはしませんし、株価急上昇で個別銘柄の多くが上昇トレンドに転じればその時点で新規買いをすればよいことです。
ただ、需給面で1点気を付けておくべきなのは、12月決算のヘッジファンドの45日ルールに伴う売り物が11月15日までは出てくる可能性があるということです。
私はADA指数30%以内でアメリカ大統領選挙を乗り越え、その後は個別銘柄ごとの株価のトレンドを重視して新規買いする銘柄を選定するつもりです。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。