<今日の日本株>
10月20日(木)の日本株は大きく上昇し、日経平均株価は前日比236円59銭高の17235円50銭で引けました。TOPIXも上昇しましたが、マザーズ指数は下落しました。
日経平均株価は9月5日の直近高値を超えてきました。TOPIXも高値更新となっています。
ただ、個別銘柄をみると、日経平均株価がこれだけ大きく上昇したにもかかわらず、値上がり2369に対して値下がりも1068あります。一方、年初来高値更新銘柄は113に対し、年初来安値更新銘柄はわずか2と、この面からみれば日本株は大いに強気です。とはいえ、25日騰落レシオは131.0まで上昇し、かなりの過熱水準にまで達していて、ここからの株価調整局面にも注意が必要です。
今日のADA指数は70.1%となり、前日の71.0%から小幅に下落しました。主に銘柄入れ替え、その他動きが弱ってきた銘柄へのヘッジ空売りをしたことなどによるものです。
<日銀ETF買いがTOPIX型へシフトしたはずなのにNT倍率上昇の謎>
上記のように、騰落レシオなど過熱感を示す指標が出てきてはいるものの、上昇トレンドを維持している個別銘柄を売るような必要はありません。ただ、仮に騰落レシオが天井を付けた場合は、その後しばらく値下がり銘柄が多くなり、利益を上げにくくなる時期が到来するかもしれません。
また、日経平均株価やTOPIXが直近高値を更新したとはいえ、少し超えた程度です。ここからいつものように反落する可能性も十分ありますから、まだ警戒も必要です。
さて、9月の日銀金融政策決定会合にて、日銀のETF買いをTOPIX重視としたはずなのに、10月に入ってからNT倍率が逆に上昇、つまりTOPIXより日経平均株価の方が強い状況が続いています。
ということは、日銀以外の投資主体が日経平均株価採用銘柄に買いを入れていると想像ができます。そしておそらくこれは外国人投資家の買いと思われます。外国人投資家が日本株を買うときは、まず日経平均先物を買っておき(その結果NT倍率上昇につながる)、そこから個別銘柄を選定して投資するという流れになることが多いです。ですから、仮に今後そのような動きになれば、個別銘柄が上昇しやすい地合いになると思われます。
過熱感が多少生じつつある日本株ですが、調整局面であっても強い銘柄は強く推移するはずです。上昇トレンドにある個別銘柄を大事に所有して、下手に利食い売りなどしないようにしましょう。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。