<今日の日本株>
8月22日の日本株は、円高一服の動きを受けて終日底堅い動きとなり、日経平均株価は先週末比52円37銭高の16598円19銭で引けました。TOPIXも上昇しましたが、マザーズ指数は下落しています。
今日は値上がり銘柄2211に対して値下がりは1150、年初来高値25に対して年初来安値は39まで減少しました。TOPIXの値上がり率の方が日経平均株価より高かったことも合わせると、今日の相場は比較的良い動きだったといえるのではないでしょうか。
今日のADA指数は22.7%で、先週末(23.9%)とほぼ変わらずでした。ただし、今日は新規買い、新規空売りをそれなりに行っており、両者の金額がほぼ同じだったためプラス要素とマイナス要素が両膨らみとなっています。それがADA指数が表面上少ししか変化しなかった理由です。
まだまだ下降トレンドの銘柄の方が多いですから決して無理することなく、上昇トレンドの銘柄に絞り込み、かつある程度のキャッシュポジションを温存した上での投資が望ましいと思います。
<いくら将来有望でも下降トレンドでは一旦買いを外すべし>
ここ数日、SYBERDYNE(7779)が外国のヘッジファンドの空売りの餌食にあっているようで、大きく値を下げています。私自身、この銘柄の将来性には大いに期待していますが、それと実際の売買とは別問題です。この銘柄は6月中旬におよそ2400円のところで25日移動平均線を明確に割り込み、下降トレンドに転じています。今日の株価は1575円ですが、もし2400円近辺でしっかりと売却できていれば、そこから今日まで下降トレンドが続いていますから、1575円までの下落の影響を一切避けることができていました。これは結果論ではなく、私自身はいつもこの方法を貫いて実行しています。
<もし保有を続けるのなら「ゼロになっても良い」という覚悟で>
中には、将来が有望な銘柄を一旦売却して買いがゼロとなったところで大きな好材料が出てしまったら買い戻せないかもしれない、と心配になる方もいるかもしれません。その場合は、いくら株価が下がろうが保有を続ける必要があります。その際に気を付けるべき点は、「投資資金がゼロになっても構わない」という覚悟を持つこと、そしてその覚悟を持てるだけの資金量にとどめておくことです。
例えば、上昇トレンドにあるときは1000株を保有するが、下降トレンドに転じたら800株は売却し、残り200株についてはどんなに下がっても持ち続ける、というようにです。
もし、将来が有望だからという理由で投資可能資金の30%、50%もを1つの銘柄につぎ込み、下降トレンドに転換しても保有株を売却しないでいると、仮にその銘柄の将来性が疑わしい事態となった場合は株価が急落して投資資金が大きく目減りしてしまいます。それでも構わないという覚悟を持てるならば結構ですが、私ならそういう投資手法は取りません。私は一攫千金のチャンスを狙うよりも、大失敗で資金の多くを失う事態を回避することをより重要視しているからです。そして、その投資方針を貫いた結果、数々の急落・暴落を乗り越えて今まで株式市場で生き残ってこれているのです。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。