株価急落で困っている個人投資家の方へ

私のブログに限らず投資関係のブログに共通することだと思いますが、相場が良い時や安定しているときは閲覧数が減少し、相場が急変(特に急落)した場合は閲覧数が一気に伸びることになります。
私のブログも、先週末にかけ通常の30~40%増の方にご訪問いただきました。その中には、初めて足を運んでくださった方もいらっしゃるかもしれません。
私の投資行動は、日々のブログを見ていただければ分かるのですが、今足元で困っている個人投資家の方も少なくないと思いますから、ここでいくつかのケースを取り上げたいと思います。
基本は、「すでに起こったことは仕方ないので、今後同じ失敗を繰り返さないようにする」という観点からです。

(ケース1) 株価が急落して大量の塩漬け株が発生した
なぜ大きな含み損が生じたかといえば、多額の投資資金を株に投じていたためです。今後は株価のトレンドを注視し、下降トレンドの間は株の保有割合をできるだけ小さくするようにしましょう。その面で、資金管理がとても重要になります。また、損が大きくなる前に適切な株価で損切りを実行することも重要です。

(ケース2) 信用取引で大損をした
現物株だけであれば最悪塩漬け株で済むのですが、信用取引をしていて大損をした場合はそうはいきません。含み損が膨らむと強制的に決済され、損失が確定してしまいます。
信用取引の場合は損切りできることが絶対に必要な条件です。損切りができないのであれば、信用取引は絶対にやめるべきです。そうしないとそのうち同じ失敗を繰り返すことになります。

(保有株はどうしたらよい?)
おそらく多くの方が、買値から大きく値下がりした株を保有したままになっています。こうした株をどうすればよいか、という質問には、実は回答に困ってしまいます。なぜなら、私自身、買値から大きく値下がりした塩漬け株を保有することがないからです。塩漬け株になる前に、小さな損失で損切りしてしまいます。
とはいってもアドバイスをしないわけにはいきませんから私の考え方を述べると、すでに塩漬け株になっている保有株は、損失が10~20%程度ならいっそのことすべて損切りしてリスタートしてもよいと思います。損失がそれ以上に大きい場合は、無理をして損切りしても手元に残るキャッシュが少なくなってしまうので判断が難しいですが、株の割合が高すぎて手元にキャッシュがほとんどないのであれば、半分程度は売ってしまってキャッシュに替え、今後くるはずのチャンスに備えてキャッシュを温存しておくのもよいのではないかと思います。チャンスにうまく乗ることができれば、それまでの失敗を十分に挽回することが可能なはずですが、チャンスに乗るためにはキャッシュが必要だからです。

(これからは同じ失敗をしないようにしよう)
株式市場では株価急落は結構頻繁に起こります。その度に大きな損失を被っていたのでは、いつまでも株式投資で資産形成などできません。したがって、まずは株価のトレンドに応じて売買をする「順張り」に徹し、株価が下降トレンドに転じた銘柄については速やかに売る、というのが個人的にはお勧めです。実際に私が実践して、数々の急落局面を乗り越えているという実績があります。せっかく私のブログを訪問していただいたのですから、今後何度も訪れるであろう株価急落を小さな傷で一緒に乗り越えていきましょう。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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