<今日の日本株>
6月16日の日本株は、日銀金融政策決定会合でゼロ回答だったことから為替レートが一気に円高に振れたこともあり、昨日の一旦の小反発もむなしく再び大きく売られ、日経平均株価は前日比485円44銭安の15434円14銭で終えました。一時500円を超す値下がりとなりました。マザーズ指数はさらに悲惨で、7%を超す値下がりとなり、1000ポイントの大台を大きく割り込んでいます。
個別銘柄を見ても、本日の新高値銘柄7に対し、新安値銘柄は459まで膨らみ、かなり下げが深くなってきました。
今日の下落で、日経平均株価、TOPIX、JPX日経400は軒並みGWの安値水準どころか4月上旬の安値をも割り込みました。これで残すは2月12日の安値のみとなり、仮にここを割り込んだ場合、阿鼻叫喚の下落も覚悟しなければなりません。マザーズ指数はまだ4月上旬の安値より上に位置しているものの、今週4日間の下落率が約18%にも達し、個別銘柄ベースでは30%以上の下落となったものも少なくありません。
今日のADA指数はマイナス27.1%まで低下、前日のマイナス11.8%からマイナス幅が拡大しました。基本的に空売りはそのままで、25日移動平均線を割り込んだ保有株への売却ないしヘッジ売りを実行した結果です。
確かに騰落レシオの水準、新安値銘柄の水準などからみて、そろそろ一旦反発してもおかしくありませんが、私は基本的に守り優先を続けるつもりです。具体的には、弱い銘柄の空売りは維持しつつ、今後25日移動平均線を超えてきた銘柄は新規買いを入れるという戦略です。これは2月12日を底値に反発に転じた際に実行したのと同じ戦略です。
<浅い傷で済ませたいなら早めの対処を>
ADA指数の推移を見ていただくと分かりますが、私にとって明確なターニングポイントは今週月曜日(13日)の急落です。ここで買いポジションを一気に縮小させました。そして、その後の下落で買い持ち銘柄を順次外していき、現在に至っています。
ここまで株価が大きく下落すると、もちろん私の利益および含み益も減少します。しかし、火曜日までに大方の整理が終わり、その間の損失は投資可能資金全体の4%ほどです。そして、その後は株価がいくら下落しても、損失が生じないようなポジションを構築しています。例えば今日の株価下落では、今まで強かった銘柄までも25日移動平均線を割り込んできましたので想定以上に損失が生じましたが、空売りによりその大部分をカバーできています。
では、なぜ私が13日に買いポジションを一気に縮小させたかと言えば、保有銘柄の多くが25日移動平均線を割り込んだためです。つまり、25日移動平均線を割り込んだかどうかを保有株売却の基準とすれば、もちろん損失は被る(ないし利益は減る)ものの、最小限の浅い傷で済ませることができます。私としては、例えば明日以降、ようやく保有株を整理・売却するのでは遅すぎるのです。
<空売り規制で一旦株価は反発するが・・・>
「空売り規制」というものがあります。詳細はまた別の機会で説明したいと思いますが、株価が前営業日終値から10%以上下落した場合、その銘柄については大口の空売りに規制がかけられるというものです。この規制は、株価が10%以上下落した直後の当日、および翌日に適用があります。
このため、一般的には空売り規制がかかった銘柄(株価が10%以上下落した銘柄)は、翌日の株価が下がりにくくなります。昨日水曜日の新興市場銘柄が割と大きく戻ったのは、火曜日に発動されたこの空売り規制による効果と考えられます。
そして、空売り規制がなくなった本日になり、再び株価が大きく下落したものと思われます。
もし、昨日のように一旦反発した局面で、「底打ち」を予想して新規買いする場合、直近安値割れで損切りとする逆指値の売り注文を買った直後に出しておくべきです。これを怠ると、今日のような株価の動きになった場合に損失が拡大し、大きなダメージを被ることになりますから注意してください。私は底値買いはおすすめしませんが、もし実行する場合は、必ず損切り価格を決めたうえで行うようにしてください。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。