<5月27日の日本株>
週末5月27日の日本株は、日経平均株価が前日比62円38銭高の16834円84銭と上昇しました。ただ、底堅い値動きではあったものの上値を追うような買いは見られませんでした。マザーズ指数も上昇したものの伸び悩みでした。
日経平均株価は少しずつ上昇しているように見えますが、基本は方向感のない展開です。個別銘柄の騰落を見ても、上昇・下落がほぼ半々であり、サミット開催の中様子見姿勢が強いようでした。
ADA指数は43.1%となり、前日の51.9%から大きく下落しました。これは下降トレンドが続く弱い銘柄に対して打診的に空売りを実行し、ロング・ショート戦略に本格的に移行するかどうか見極めようと思ったためです。本当は、空売りをもっと増やしてもよいのですが、サミットや、サミット後の首相の消費税増税延期発言や衆議院解散発言があった場合の株価の反応が読めないため、株価が明確に上方向に向かった場合のロスがあまり大きくならないようにと考え、ひとまず少量を実行しました。
<消費税増税延期がどの程度株価に織り込まれているか>
土曜日の夜に、安倍首相が消費税増税をさらに2年半延期する意向を示したとニュースで流れました。しかし、麻生財務大臣や谷垣幹事長が反対するなど、事態はまだ流動的です。また、国民に信を問うとして衆議院を解散し、衆参ダブル選をするならば、6月1日までに衆議院を解散する必要があります。
現時点では、消費税増税延期や衆議院解散が本当にあるのか、そしてあるとなった場合、それらが株価にどれだけ織り込まれているかが不透明なため、強気・弱気どちらか一方向に傾けたポジション構築はリスクが高いです。私はとりあえず現時点程度のポジション(空売りを多少交えた買い中心だがある程度買いをセーブ)でそれらの有無を見極め、どちらかに明確な方向が出た場合はそれについていく戦略を取る予定です。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。