今日の日本株(2016年5月16日)

<今日の日本株>
週明け5月16日の日本株は後場に入り失速、日経平均株価の終値は54円19銭高の16466円40銭となりました。悲惨だったのはマザーズ指数で、81.65ポイント安の1125.37と暴落となりました。
今日のADA指数は44.2%と先週末の53.5%からやや大きく低下しました。決算により急落した銘柄をはじめ、25日移動平均線を割り込んだ銘柄が結構あったのと、マーケットの状況があまりよくないと感じたため、値動きの良くない銘柄を売却したことによります。
マザーズ指数に連動する私の損益も当然大きなダメージを受け、決算発表により急落した銘柄による損失も含めると、かなりの痛手となりました。いつまでも上昇し続けることはありませんから仕方ないですが、痛手は痛手です。ただ、重要なのはこの急落を受け、下降トレンドに転じた銘柄を粛々と売却することであり、これにより、仮にここからさらに株価が大きく下がったとしても損失を最小限に抑えることができます。

<あまり大きく売られていない新興市場銘柄を探せ>
今日は新興市場銘柄総崩れで、そーせいグループ(4565)も大幅安、直近で大きく上昇していたブランジスタ(6176)に至っては、1日の間でストップ高からストップ安まで転落するなど、非常に激しい下落となったものが多数に上りました。
その一方、例えばイー・ガーディアン(6050)など、さすがに伸び悩みこそしたもののしっかりと上昇している銘柄もありました。じげん(3679)も大きく上昇し、引け値ベースで見ても直近高値超えとなりました。
この両者の違いとして考えられるのが、「短期筋の投資家が多いかどうか」という点です。短期売買を中心としている投資家は、今日のような新興市場の突然の急落が起こった場合、とりあえず売却しておこうという機運が高まります。ブランジスタなどはそれが特に顕著な例と思われます。また、そーせいグループやブランジスタなど個人投資家の人気が高い銘柄には、外国人投資家等の売り仕掛けが入った可能性も高いと思います。
一方、短期売買の投資家があまり手掛けていない銘柄は、新興市場が大きく下がったとしても、とりあえず売却しなければと思う投資家が相対的に少ないという点、売り仕掛けが入らなかったという点などから、全般相場の影響を受けにくかったのでしょう。
こうした動きを踏まえ、今後同じような急落に巻き込まれたくない方は、今日急落した銘柄を避けて投資する、という戦略が考えられます。もちろん、新興市場が明日以降も大きく値下がりするようであれば、今日好調だった銘柄も影響は免れませんが、それでも短期筋が多く関わっている銘柄よりは株価が乱高下するリスクは小さいと思います。

<新興市場銘柄は終わったのか>
今日のブランジスタ株の値動きなどをみると、新興市場銘柄のフィーバーもついに終焉したのか、と思ってしまいます。では実際新興市場銘柄の上昇は終わってしまうのでしょうか?それは分かりません。
ただ個人的には、新興市場銘柄が天井をつけた代わりに東証1部銘柄に物色の中心が移るのかといえば、そうはならないのではないかと考えています。それは、外国人投資家の積極的な買いが入っていないことと、円高傾向がまだ続いていることです。
思えば、日経平均株価とマザーズ指数とのかい離は、円高が進む中で起きました。円高が収束しない限りは、為替に業績が影響しない内需株が中心のマザーズ指数が優位であることに変化はないのではないかと感じています。
もちろん、私のポリシーは「相場は相場に聞け」ですから、トレンドに逆らってまで買うことはありませんが、例えば今回の急落で25日移動平均線を割り込んだ新興市場銘柄であっても、相場が落ち着けば再度買われる可能性が高いとみて、株価のウォッチは続けていくつもりです。そして、再度25日移動平均線を超えて上昇トレンドに転じたら、そこは新規買いのタイミングとみています。

 

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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