5月7日の投稿にて、日本銀行が年間3000億円の枠を設けて、「設備・人材投資に積極的な企業」を対象としたETFを買い入れることにつき、個人投資家は特段の行動をする必要はないと書きました。なぜ私がそう思ったのか、それは野村企業価値分配指数の構成銘柄および各銘柄のウェイトを見たことによるものです。
(他にMSCI日本株人材設備投資指数とJPX/S&P設備・人材投資指数がありますが、いずれも構成比率上位10銘柄しかみつけられませんでした。しかし、構成比率上位10銘柄を見る限り、おそらく3指数とも構成銘柄・比率は似たようなものになると思われます)
構成銘柄をみると、名だたる日本の大企業のほか、成長著しい企業も含まれていて、多少期待は持てます。しかしながら、銘柄ごとのウェイトが、どうしてもいわゆる大企業に重みを付けられているため、結果としてTOPIXとそれほど変わらない値動きになってしまうだろうな、という印象をぬぐえないのです。
おそらくTOPIXをアウトパフォームしたとしても、年間1%にも遠く及ばないレベルだと思われ、この指数の構成銘柄を優先的に買うなどといった投資戦略は不要と考えます。それよりも、増収増益を続ける中小型株へ投資した方がよほど高いリターンを得られると思います。
構成銘柄および各銘柄のウェイトは、以下のサイトに掲載されていますので、関心のある方はご覧いただくと良いと思います。
野村企業価値分配指数
足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。