<今日の日本株>
4月5日の日本株は大幅に続落し、日経平均株価は前日比390円45銭安の15732円82銭で引けました。値下がり銘柄が圧倒的に多く、全面安の展開でした。日本株だけ弱い動きとなっていますが、日経平均株価はドルー円相場に連動しますので、円高が進む中では致し方ありません。
今日のADA指数は△7.4%となり、ついにマイナス域に突入しました。先日から申し上げているように、今回は空売りがかなり入っていますので、その影響を除けばプラス10~15%ほどと思われます。
いずれにせよ、今日時点で、かなり多くの個別銘柄が下降トレンドにあります。どう考えても守り優先とすべきで、新規買いを積極的に実行する局面にはありません。
<マザーズ指数も大幅安に>
今日は、これまで強かったマザーズ指数も大幅安になりました。新興市場の個別銘柄も、今日になって25日移動平均線を割り込む銘柄が相当発生しました。
最近の株価下落のパターンとして、まず日経平均先物の売り仕掛けによって、日経平均株価に連動する東証1部の大型株が下落します。そして、それらの下落が止まらないと、他の銘柄にも次第に下げが波及し、最終的には最後まで強かった新興市場銘柄・中小型株も下げてしまう、という流れになっています。
今日はマザーズ指数も大幅安となったことで、いよいよ下げの終盤戦に突入した可能性があります。下げ相場は、一番最後の下げが最も急激であることが多いため、下降トレンド途中の銘柄の安易な買いは禁物です。
<また同じ過ちを繰り返させようとする「専門家」>
今年1月~2月中旬までの大きな下げ相場では、インターネットの投資サイト等で「専門家」と称する人たちが、下げ途中の中途半端な株価水準で「そろそろ反発するはずだから押し目買いのチャンス」と繰り返し発言していました。それを信用した個人投資家は、その後のさらなる下げで、大きな損失を被ってしまったことは記憶に新しいものです。
しかし、ここへきて再び「専門家」の人たちが、「押し目買いのチャンス」として下降トレンド真っ只中の個別銘柄を買い推奨しているのが目立つようになりました。
私は彼らに対し、「個人投資家に損をさせるような無責任な発言は慎んでもらいたい」と声を大にして叫びたいです。
もし、今のタイミングで下降トレンド銘柄を新規買いして、そこからさらに大きく株価が下落したらどうするのですか?特に中長期的な下落相場では、押し目買いのつもりで買った株の株価が長年にわたって下げ続け、半永久的に買値まで回復しない、ということだって十分起こり得るのです。
今はどう考えても買いのタイミングではありません。仮に今回ここから積極的に新規買いした結果、すぐに反発して成功を収めるかもしれません。でも同じようなことを繰り返していれば、そのうち大失敗して資産を大きく減らすことになるでしょう。
何度も同じことを申し上げますが、株価が下降トレンドにある間は買いのチャンスではなく、損失を極小化するために防御に徹するべきなのです。上昇トレンドに転じるのを待って買う、たったこれだけのことができるかできないかで、生涯の投資成績に大きな差がつくはずです。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。