今日(2016年4月1日)の日本株と来週の投資戦略

<今日の日本株>
4月1日の日本株は暴落に近い下げとなり、日経平均株価は前日比594円51銭安の16164円16銭で引けました。今日は日経平均株価だけでなくTOPIXもマザーズ指数も大幅安の全面安相場でした。ここまでそれほどダメージのなかった私も、今日の下げでは結構含み益が減少しました。
今日のADA指数は16.6%となり、昨日の56.4%から急低下となりました。これは、保有株の中に本日25日移動平均線を割り込んだ銘柄が相当数あったこと、空売りを積み増したことによるものです。

<日経平均株価は下降トレンドへ転換>
まだ25日移動平均線自体は上向きですが、日足チャートを見る限り、日経平均株価は本日をもって下降トレンドへの転換が濃厚です。個別銘柄をみても、かなり多くの銘柄が、本日25日移動平均線を割り込みました。
もちろん、まだまだ上昇トレンドを維持している銘柄も多いですが、先日のブログでも書いたように、私はいち早く25日移動平均線を割り込んでいる銘柄から順に空売りを増やし、当面はロングショート戦略をとるつもりです。
1月~2月の下げでは、空売りをあまり使いませんでしたので、よほどひどい相場環境にならない限りADA指数はマイナスになりませんでした。今回は空売りを多めに使っているため、ここからさらに株価が下落すると、ADA指数は近々マイナスになるかもしれません。

<2番底模索の展開か>
日経平均株価は、今日の下げをもって、今後は2月12日の一番底に対する二番底を探る動きになるように思われます。週足チャートでみても、日経平均株価はまだ右肩下がりのチャートになっていて、下値模索の可能性もある形です。
今日のADA指数が大きく低下したのにはもう1つ理由があり、それは25日移動平均線を明確に割ってはいないものの、25日移動平均線近くまで値下がりした銘柄を売却したためです。
先日も少しご説明したと思いますが、例えば直近高値3000円、25日移動平均線2800円の銘柄が2805円まで下がったとします。まだ25日移動平均線の上に株価があるため、保有継続でもよいのですが、相場全体の環境によってはこれをあえて売ってしまうのです。
今日は前場が終わった段階で、すでに日経平均株価や多くの個別銘柄が25日移動平均線を割り込みました。私は日経平均株価自体が25日移動平均線を明確に割り込んだこと、そして多くの個別銘柄がそれに追随して25日移動平均線を割り込んだことを重視し、「市場全体として下降トレンドに転じた可能性がある」と判断しました。25日移動平均線近辺のボーダーライン上にある銘柄も、今後日本株が調整する過程で早晩25日移動平均線を割り込んでしまうだろうと思いました。

<直近高値超えで買い戻すつもりでいったん手放す>
上記の銘柄を2805円で売り、そこから株価が下落すれば思惑通りです。逆に、売った後株価が上昇した場合はどうでしょうか。その場合、直近高値3000円を超えたら買い直しをします。25日移動平均線が2800円近辺にありますから、3005円で買ったとしてもかい離率は7%程度であり、まだ新規買いの許容範囲内です。
2805円と3005円の差額200円は、それ以上の値下がり回避とこの銘柄の強さを測るためのコストと考えてください。
もしこの銘柄が強ければ、直近高値の3000円を超えて上昇することになります。一方、この銘柄が弱ければ、直近高値の3000円を超えることはありません。「3000円超え」というフィルターを設けることで、弱い銘柄を排除することが可能なのです。
ボーダーライン上でどっちつかずの銘柄は、売るかどうか非常に迷うものです。もしその時市場全体の環境が良くないならば、上のように直近高値超えで買い戻すつもりでいったん手放すというのも、リスク回避と銘柄選別のために非常に有効です。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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