<3月25日の日本株>
3月25日(金)の日本株は、終日堅調な動きとなり、日経平均株価は前日比110円42銭高の17002円75銭と17000円台を回復しました。
個別銘柄は値上がり銘柄の方が少し多いものの高安まちまちであり、私の保有銘柄の損益はトータルでそこそこのマイナスとなりました。マザーズ指数が1%ほど下がりましたし、ここまで日経平均株価の動きにかかわらず利益が増える日が多かったので、特に気にはしていません。
ADA指数は55.0%(前日は59.3%)と少し減少しました。25日移動平均線を割り込んだ保有株を売却したり、下降トレンド銘柄のいくつかを打診で空売りしたりしたためです。
<外国人投資家の売り越し基調はまだ続いている>
2016年3月第3週の投資主体別売買動向が明らかになり、外国人投資家は1週間で4579億円の売り越しとなりました。外国人投資家の売り越しは今年に入ってから続いており、なんとこれまでの3ヶ月弱で実に4兆8千億円も日本株を売り越しています。対する買い手は信託銀行と個人投資家です。つまり、今年に入って、「外国人売りVS日銀・年金・個人投資家買い」の構図がずっと続いているのです。外国人投資家が売り、個人投資家が買うという状況は過去の経験則から言って好ましくありません。
この現状では、日経平均株価が上値を追っていくのは困難です。とはいえ、外国人投資家が全ての銘柄を売っているわけではなく、全ての銘柄の売り買いの差し引きがマイナスというだけです。
ですから、この状況が続く限り、大量の投資資金が流入しないと株価が上昇しにくい大型株よりも、少ない資金で株価上昇が期待できる中小型株・新興市場銘柄が優位な状況は続くと思われます。個人投資家は中小型株・新興市場銘柄が大好きですから、意外と個人投資家が利益を得やすい相場はしばらく持続するのかもしれません。
<重要なのはあくまでも日経平均株価ではなく保有銘柄の動き>
3月25日の日経平均株価とマザーズ指数の動きを比較すると、非常に興味深い事実が分かります。日経平均株価は朝方が安値でそこから引けにかけて上昇しています。一方、マザーズ指数は朝方が高値でそこから引けにかけて下落しています。両指数の動きが見事に正反対になっているのです。
外国人投資家からの大量の投資資金が入らない限り、今の日本株では全ての銘柄を買いあげるような力強い動きは見られません。中小型株や新興市場銘柄が買われれば大型株は買われず、大型株が買われれば中小型株・新興市場銘柄はお休みとなることが多いのです。
ですから、日経平均株価が300円上昇したのに自分の保有銘柄の損益はマイナスになったり、逆に日経平均株価が200円下がったのに保有銘柄はプラスだった、ということがよく起こります。
つまり、日経平均株価がどのように動こうが、重要なのは自分が保有している銘柄の動きであり、保有銘柄が下降トレンドになったらその銘柄は外し、ウォッチしている銘柄が上昇トレンドになったら新規買いする、という作業を日々繰り返すことが必要です。
上昇相場の終わりには、日経平均株価が上昇を続ける一方、個別銘柄は先に天井を付けて下落を始めるということも起こります。ですから、仮に日経平均株価が高値更新を続けたとしても、自分の保有銘柄が下降トレンドになったら、速やかに売却して様子を見ることが必要です。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。