<今日の日本株>
3月7日の日本株は5営業日ぶりの反落となり、日経平均株価は先週末比103円46銭安の16911円32銭となりました。ただ、個別銘柄をみると値上がり・値下がりほぼ半々であり、新興市場銘柄を中心に、かなり強い値動きのものも目立ちました。現に、マザーズ指数は今日も2%ほど上昇し、2月12日の底値から1ヶ月足らずで40%も上昇しています。多くの個人投資家にとっては、最近の日本株の投資成績は意外と好調なのではないでしょうか。
今日のADA指数は先週末の64.5%からさらに上昇して67.7%となりました。上昇トレンドのものを継続保有し、新たに上昇トレンドに達したものを新規買いする、という投資戦略に変更はありません。基本は強気継続です。
25日移動平均線を明確に上回る銘柄が続出しており、欲しい銘柄がどんどん出てきているものの、資金量の関係もあるため無造作に買い進めるわけにもいきません。どうしても欲しい銘柄については、すでに保有している銘柄のうち重要性の低いものと入れ替えるようにしていますが、それでも買いポジションは少しずつ膨らんでしまいます。上昇トレンドですからそれ自体は問題ないのですが、突然の株価急落のリスクも考慮し、ADA指数はMAXでも80%ほどに留めたいと思っています。
<急騰銘柄の飛び乗りには要注意>
今のように相場環境がよくなってくると、ちょっとした好材料であっても株価が大きく跳ねる銘柄が増えてきます。こうした銘柄を目にすると、短期間に大きく上昇しそうに思えてしまい、つい飛びついて買ってみたくなるものです。
でも、どんなに良い相場であったとしても、短期間に大きく値上がりした銘柄をジャンピングキャッチすることを繰り返していれば、高値掴みによって全く儲からないどころか逆に大きく損をしてしまいます。
例えば、今日ストップ高比例配分で引けたアドウェイズ(2489)は、LINEが今年の夏にも上場するのでは、という観測を受けての上昇です。しかし、単に「材料」に反応しているだけで、業績の裏付けはありません。仮に急騰したとしてもひとたび天井をつけた後は急落してしまう可能性が高いと思われます。
このアドウェイズ株を、例えば明日8日に買い注文を入れ、ストップ高水準で寄り付いたとしたら、25日移動平均線からのかい離率は30%以上に達してしまいます。
<急騰銘柄を狙わずとも相場環境が良ければ結構大きく上昇してくれる>
私は拙著「株を買うなら最低限知っておきたい 株価チャートの教科書」などでも記しているように、新規買いするのであれば、基本的には25日移動平均線からのかい離率がプラス10%以下のタイミングで行うべき、と考えています。
なぜなら、かい離率が大きいタイミングで買えば高値掴みになってしまう危険性も増しますし、25日移動平均線割れで損切りとした場合、損失率が非常に大きくなってしまうからです。失敗した時の損失が大きくなるのも覚悟でどうしても買いたいというなら仕方ないですが、材料だけで急上昇した銘柄の場合、前触れもなく突然天井をつけ、そこから株価が急落してしまうことが非常に多いことは頭に入れておいてください。
急騰銘柄に飛び乗るより、少しずつ着実に上昇している銘柄を25日移動平均線からのかい離率が大きくないタイミングで買い、25日移動平均線を上回る間保有し続けている方が、結局は十分な利益を得られることが多いものです。その上で、保有している銘柄が急上昇すればラッキー、というくらいで丁度良いでしょう。
相場環境が良くなれば、わざわざ高値掴みのリスクを冒してまで急騰した銘柄を狙わなくとも、買ってから結構大きく上昇してくれる銘柄は多いものです。
10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。