「予想」するのではなく「準備」せよ

日経ヴェリタス2015年12月20日号の伊藤元重教授の記事に、為替レートを予想しても当たらない、経営者は為替レートを予想するのではなく、円高・円安どちらに振れても困らないように対応すべきと書かれていました。
私は、これは非常に重要なことだと思います。そして、この考え方は株式投資においても全く同じです。
投資家の多くは、将来の株価を「予想」したがります。でも、株価を予想しても当たらないのです。
もし予想と逆方向に株価が動いたらどうするのでしょうか。すぐに間違いを認めて損切りできればよいですが、大多数の個人投資家は、損切りできず塩漬け株を作ってしまいます。
私は将来の株価を予想することはしません。私は上昇トレンドに転じたら新規買いします。そして、上昇トレンドが終われば保有株に利食い売りを出しますし、買った後に株価が値下がりして25日移動平均線を明確に割り込んだら損切りします。つまり、➀どうなったら買うのか、➁買った後株価が上昇したときの利食い売り、③株価が下落したときの損切りにつき、買う前から「準備」しているのです。

将来の株価の「予想」をやめ、こうなったら買い、こうなったら売るとあらかじめ「準備」することの重要性、これが分かった人が勝ち組投資家になれるのです。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

関連記事