2月12日の日本株と来週の投資戦略

<2月12日の日本株>
2月12日(金)の日本株は続急落となり、日経平均株価は前日比760円78銭安の14952円61銭と、15000円の大台を割り込みました。2月9,10,12日の3日間でなんと2000円も下落するという、とてつもない動きとなりました。
ADA指数は△9.3%となり、前日の△3.6%から低下しました。残り少ない保有株も25日移動平均線を大きく割り込み、売却を余儀なくされたためです。

<今までとは明らかに異なる下げ方>
12日の日本株は、明らかにこれまでとは異なる下げ方となりました。それまで1日の下落が50円とか100円だったものが300円、400円という大きな下げ幅になった銘柄が非常に目立ちました。例えていうなら、これまでの下落角度が45度だったものが、突然90度になったというイメージです。これは明らかに投げ売りが続出したという株価の動きです。東証1部の売買高も47億株に達し、セリングクライマックスに近い値動きだったといえるのではないでしょうか。

<さすがに一旦は下げ止まるか>
2月12日時点で25日騰落レシオは57.7%、日経平均株価の25日移動平均線からのマイナスかい離率は11.9%であり、通常であれば底打ちする水準です。さらに、東証1部銘柄のうち昨年来安値更新銘柄は1023銘柄に達し、1月21日の746銘柄をも上回りました。1023銘柄というのはアベノミクス相場始まってからの最高であり、2011年3月の東日本大震災直後の1048銘柄に匹敵するものです。
12日のアメリカ株は大幅高、シカゴ日経平均先物も大きく反発していますから、さすがに週明けは反発するでしょう。
ただし、リーマンショックの時は、このような状態から急反発するものの、そこから再度売られて底割れし、阿鼻叫喚の相場になったことも事実です。

<どれだけリスクを取るかで投資戦略も異なる>
私は、基本的には個別銘柄の新規買いは25日移動平均線を上回って上昇トレンドに転換してからとすべきと思いますが、その場合おそらく現時点の株価から10%~20%ほど上昇した時点で買うことになります。
逆を言えば、上昇トレンド転換を待たずに週明けに買った場合、上昇トレンド転換後に買うよりもかなり安く買い仕込めることになります。
底割れのリスクを覚悟で週明けに買い仕込むか、安全策で25日移動平均線超えを待つかは、個人投資家それぞれのリスク許容度によってご自身で決めていただくほかありません。

<私ならひとまずこうする>
私も本ブログにて、上昇トレンド転換を待って買うと常々申し上げてはいますが、さすがにここまで底打ちの条件が揃うと、少しだけリスクを取ってもよいかなとは感じています。騰落レシオ60%割れ、日経平均株価の移動平均線マイナスかい離10%超えに加え、安値更新銘柄が1000を超えているという状況は、かなりの確率で底打ちするはずだからです。
とはいえ、ここまでの下落が通常ではないことから、リーマンショック級の下落になる可能性も否定はできません。
そこで私は、次のような戦略を今のところ考えています。
・上昇トレンドをギリギリ維持している(25日移動平均線上に株価がある)銘柄は新規買い→25日移動平均線割れで損切り
・今後上昇トレンドに転じた銘柄は、その時点で新規買い→25日移動平均線割れで損切り
・下降トレンドにある銘柄のうち、好決算であった銘柄は、直近安値割れを損切りとした上で新規買い(新規買い後に直近安値割れで損切りの逆指値注文発注)
・新規買いの規模は、日経平均株価が上昇トレンドに転じない限りは最大でも投資可能資金の30%以内に収める(これにより、買値から10%マイナスで損切りとなった場合でも、投資可能資金全体からみた損失率を3%程度に抑えることができる)

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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