下落相場での押し目買いは命取りに

多くの個人投資家は「逆張り」が大好きです。株価が大きく下がったとき、個人投資家は株を大幅に買い越していることからも明らかです。

アベノミクス相場のスタートから現在まで、月足チャートは右肩上がりで上昇し、長期上昇相場が続いていました。そうした中、株価の下落局面を狙って「押し目買い」をすることは成功につながりました。なぜなら、少しすればそこから株価は反発し、再び高値追いをはじめたからです。

しかし、これが下落相場になったらどうでしょう。株価下落で「押し目買いのチャンス」と思っていたのに、直近安値を下回り、下値を切り下げるように下落してしまいます。適切な損切りをしなければ、「押し目買い」のつもりが「高値掴み」になってしまいかねません。

判断が難しいのは、大きな下落が起きた場合、それが「押し目」なのか、「下落相場への突入」なのか判断することができないという点です。
ですから、株価のトレンドをみて、下降トレンドにある間は買わないようにしておくべきです。もし上昇相場が続いているなら、そのうち上昇トレンドに転じますからそこで新規買いすればよいのです。もし下落相場に入っていたならば、上昇トレンドに転じる前に再度株価が下落してしまう可能性が高いため、下降トレンドにある間の新規買いを控えれば、余計なタイミングで買ってしまうことを控えられます。

足立武志
1975年神奈川県生まれ。足立公認会計士・税理士事務所代表、株式会社マネーガーディアン代表取締役。株式投資・資産運用に精通した足立公認会計士・税理士として、個人投資家への有益な情報発信に努めている。

10万部超ベストセラーの『株を買うなら最低知っておきたい ファンダメンタルズ投資の教科書』(ダイヤモンド社)など著書10冊超。楽天証券「トウシル」でのコラム連載11年、570回超。日本経済新聞社、楽天証券、マネックス証券、日本取引所グループ、資産運用EXPOなどセミナー講師多数。

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